試合リポート 米国4強 日本と準決勝 パワー示す特大弾
初優勝を目指す米国か、連覇を目指すドミニカ共和国か――。4万3千人の観客で埋まったスタジアムを一気に盛り上げたのがメジャー屈指の飛ばし屋、スタントン(マーリンズ)だった。
2点差を追いついて迎えた四回の勝ち越し2ランは、ペトコパークの特徴でもある左翼のレンガ造りのビルの3階席まで届く特大弾。この日まで打率1割だったとはいえ、2014年ナ・リーグ本塁打王が8番に座る米国打線は強力だ。
その後は我慢の連続だった。中継ぎ陣は再三のピンチを切り抜け、七回にはA・ジョーンズ(オリオールズ)が球際の強さみせて中堅フェンス際の打球をジャンプしながら好捕。本人も「自分自身もしびれているよ」という美技は、グラブに収めていなかったら確実に本塁打だった。
1次リーグではドミニカに5点差を逆転される憂き目にあったが、今回は突き放して試合を締めた。次に対戦する日本の印象をスタントンは「独特なスタイルで小気味いい」といい、A・ジョーンズは「きれいな野球で、基本に忠実なようにみえる。でも我々の方がよりパワーがある」と表現した。決勝ラウンドは野球の母国の威信がかかっている。
(サンディエゴ=渡辺岳史)