試合リポート 筒香、口火切る一発 侍6連勝 準決勝へ
イスラエルに8-3
一回から三回まで先頭打者を出しながら決定打が出ない。競り合いに持ち込みたいイスラエルの術中にはまりかけた六回。4番の一発が号砲となった。
先頭の筒香は「(好投した)千賀と平野さんがいい流れをつくってくれたので、いいテンポで打席に入れた」。球威十分のザイドから軟投派のアクセルロッドに相手投手が代わっていたのも気分一新となったか。「強い打球を打とう」と臨んだ打席で、1ボールからの甘い球を逃さなかった。きれいな弧を描いた打球はバックスクリーン右へ。小久保監督は「試合が動かない中で、日本の4番の一発で流れがきた」とたたえた。
続く打者は34歳の内川。「疲労がピーク」(小久保監督)の中田に代わっての起用だ。先制点の直後でもベテランは高ぶることなく、1球もバットを振らずに四球で歩いた。これがその後の追加点につながった。
坂本勇は直後の初球を軽く合わせて中前打。相手投手が交代すると、さらに押せ押せムードに。松田が高めのボール球をたたいて左翼フェンス直撃の適時打。小林がぼてぼての適時内野安打、菊池も右前打を放った。
きれいではない当たりがことごとく野手の間に飛んだところは流れをつかんでいた証しだろう。ブルペンに自信を持っていたイスラエルの継投に対し、計5安打に3四死球で一挙5点をもぎ取った。
「こんなにホームランが出るとは。効果的な一発が多かった」と小久保監督が驚いた計10本塁打で6連勝。「守備からリズムをつくる」と、投手陣を基盤にした戦い方はそのままに、野手も自信をつかんで強豪の待つ米国に乗り込む。
(土田昌隆)