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辻新監督に見る親愛の情 選手手なずける手腕注目

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ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表が奮闘する中、12球団の選手たちは31日開幕のペナントレースに向けて着々と準備を進めている。レギュラー奪取を狙う若手が横一線となって始まった春季キャンプだが、早くも明暗が分かれたケースも。キャンプ地を巡って印象に残った選手や監督をリポートする。

広島・堂林、今年は期待できる

広島で状態の良さが目に付いたのが堂林翔太だ。昨年はチームが25年ぶりにセ・リーグを制した喜びに浸った中、自身の出場はわずか47試合。十分に貢献できなかった悔しさからか、期するものを見る思いがした。

昨年からの変化で最たるものが、テークバックの際、軸足の方にしっかり体重移動ができていること。打つときに「頭が動いてはいけない」と思っている人は多いが、バットを構えたところから一旦、体ごと捕手側に動き、軸足に十分体重を乗せることで初めてボールにパワーを伝えられるというのが打撃の原理だ。体重移動がなければ軸足が機能を果たさず、腕だけでスイングすることになってしまう。この「手打ち」の打撃に陥りがちなのがこれまでの堂林だったが、現段階で克服できていることを考えれば今年は期待できる。

反対にスイングが悪い方向にいっていたのが巨人の岡本和真。奈良・智弁学園高から高校通算73本塁打の実績を引っ提げ、将来の4番候補として入団した一昨年のスイングは素晴らしかったが、宮崎で見た岡本にその面影はなかった。テークバックまではいいとして、問題は振り出してから。すぐに上体だけが投手の方を向き、バットがついてこない。「レフトに大きい打球を打ちたい」という思いが空回りしているかのようだった。

岡本に「きょうのスイングはひどいぞ。1年目の良かった頃の映像があるなら見てみなさい」と言ったのが効いたのか、次に沖縄で見たときのスイングには改善の兆しがあった。遠くに飛ばすことにかけては天性のものを持つ選手。ぜひ正しい打撃を身につけてほしい。

チームではかつて2年間在籍した西武に注目している。広岡達朗監督に鍛えられた者から見ると、広岡さんがやっていた頃の細かい野球、これが今の西武に最も欠けている部分。本塁打をがんがん打てる一方、昨年は三振が100以上の打者が実に4人(エルネスト・メヒア=148、中村剛也=125、浅村栄斗=108、秋山翔吾=103)。いい投手に対してかさにかかって点をもぎ取る野球ができていない。その点、黄金期のそつのない野球を知る辻発彦が監督に就任したことで、将来的に「強者・西武」の復活が期待できる。

楽天的ながら神経使える人間

一緒にプレーしているが、現役時代の辻は石毛宏典ともども、練習で隙を見せた選手にはたとえ先輩であろうと容赦なくやじを飛ばした。もっとも、その場の雰囲気を悪くするような怒声ではなく、親愛の情がこもった激励。楽天的ながら神経を使える人間で、その辺のうまさを持っているのが辻という男だ。

彼は自分がチームでどういう役割をすればいいかを考えてレギュラーポジションを取った。「俺が俺が」という選手が多い中、自分中心でなくチームを中心に考えていた。社会人の日本通運では長距離砲だった辻がプロではバットを短く持ち、こつこつ当てて「つなぎ」の役に徹したのがその証し。ともすると「俺が俺が」となりがちな若き獅子たちを手なずける手腕に注目したい。

私が1985年に中日から移籍した頃の西武は秋山幸二や伊東勤ら若い選手が多く、相当な量の練習を課されてもへこたれないだけの体力があった。広岡さんはそのことをうまく利用し、数人のベテラン以外はオールスターゲームまで1日も休まず練習させた。そこまでできる監督はなかなかいない。選手の権利が大きくなった今ならブーイングが起こるかもしれないが、そういう環境下で野球をやれたのは私の財産になっている。辻も同じだろう。

日本ハムの栗山英樹監督にはさすがと思わされた。キャンプ休日に練習場の近くを通りかかると、選手たちが汗を流している。のぞいてみると「1軍が休みのとき、2軍がここでやるんです」と栗山監督。1軍が休みとなればリフレッシュでゴルフに興じる監督もいる中、休みなど要らないという姿勢でやっているようで、改めて大した男だと思った。大谷翔平がけがで出遅れているものの、危機への対処法をいくつも知る栗山のこと、そう大きな痛手だとは感じていないのではないか。

ラミレス監督、まず長所に着目

興味深かったのはDeNAのアレックス・ラミレス監督。「あの選手はいい、この選手もいい」と選手を褒めまくり、先発投手候補となると次々に10人くらいの名前が出てくる。まず長所に目を付けるラミちゃんの姿勢は選手にとってはありがたいことだろう。

褒めるといえば星野仙一さんのエピソードが思い出される。2002年に阪神の監督になって初めての春季キャンプで「あいつはここがいいよ」などと選手をよく褒めていた。中日で同じ釜の飯を食い、星野さんの性格をよく知る私は言った。「仙さん、まだ本気で勝てると思っていないですね」。自信があるときはむしろ選手の悪口を言うのが星野さんなのだ。

褒めていた1年目は4位。2年目になると「こいつはだめだ」と言い出したので「手応えを感じているな」と思っていると、18年ぶりにリーグ優勝を達成。アメとムチを使い分ける選手操縦術に改めて舌を巻いたものだ。

褒めるもけなすも選手への愛情があってのことに変わりはない。チームとは家族のようなもので「いい家族をつくりたい」「家族に幸せになってほしい」という思いが根底にあれば、監督は何も迷うことはない。開幕すればいろいろと雑音が入ってくるだろうが、監督と選手が親愛の情で結ばれていれば、やがて幸せは訪れる。

(野球評論家)

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