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フェアウエーへのいざない 小さいボールに詰まったプロの厳しい評価と感性

ゴルフライター 嶋崎平人

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3月になり、いよいよ本格的なゴルフシーズンの到来となった。各メーカーも新商品を次々と発売している。クラブを含めたギアの価格は決して安いとはいえないが、気軽に試せるという意味で、私はゴルフボールが"熱い"と思っている。ゴルフショップの店頭はまさに花が咲いたような色とりどりのニューボールで飾られている。

人気のボールはプロ使用モデル

2016年のゴルフボールの年間店頭販売数量をみると、シェア1位はダンロップスポーツ(24.8%)。2位はブリヂストンスポーツ(21.8%)、3位はタイトリストブランドで知られるアクシネットジャパンインク(19.2%)である(矢野経済研究所ゴルフ用品小売店実売動向調査の「YPSゴルフデータ」による)。

日本ではこの上位3社が市場の7割近くのシェアを握っており、しのぎを削っている状態である。国内のゴルフボール市場規模は約150億円といわれている。そして、レジャー白書などで指摘されているように、ゴルフ人口が減少傾向にある中で、市場全体も縮小トレンドにある。もちろん、ゴルフボールの販売競争はより厳しくなってきている。

ボール売り場をのぞいてみると、各社ともプロゴルファーを起用したディスプレーが目につく。ポスターや店頭販促(POP)などを活用している。ゴルフボールにはいくつか種類があるが、その中で一番注目集まるのが、やはり現役プロが使っているものである。トーナメントでプロが活躍して使用球が話題になれば、一般ゴルフファーの興味は引き付けられる。クラブは簡単にとっかえひっかえができないが、ボールは1個500円程度。気楽に、プロと同じギアを使うことができる。

「澄んだ音」が松山のこだわりだった

トーナメントの厳しい場面で使うプロゴルファーにとっても、ボール性能の差は直接結果に結びついてくる。当然、その性能にこだわり、メーカー各社とも持てる技術力をつぎ込んで、新ボールを開発する。

シェアが1位のダンロップスポーツの顔は日本男子史上最高タイの世界ランキング4位となった松山英樹である(3月5日現在)。この松山が昨年のマスターズの前から使い続けているボールが2月から発売された。昨年12月に松山自身が出席してこのボールの記者発表が行われた。

松山が開発に協力してこだわったのは音であり、球を打った時の「澄んだ音」を要望したという。飛んで止まるのは当たり前で、自分の感性に合う打感を追求したものだった。プロの感性を商品に落とし込むのは開発陣の仕事である。それを練り上げるにあたって、同社の開発陣は、松山の評価能力のすごさを語っていた。微妙な仕様の違いのボールを一度試打し、期間をあけて再評価しても全くブレがないとのことであった。世界トップクラスにいつづける、松山ならでは感性である。

シェア2位のブリヂストンスポーツの顔はタイガー・ウッズ(米国)。ウッズはゴルフ用品の中で、ボールが一番重要だと考えていて、ボールだけはブリヂストンスポーツと1月に契約を結んだ。企画担当者に聞くと、ウッズが大事にしているのはグリーンまわりでのスピン性能で、ボールが低く出て自分の目線からずれないことを要望していたという。

「ウッズ効果」でシェアもアップ

メジャー大会歴代2位の14勝を誇るウッズは繰り返しテストしても同じ球筋を打ち続けられる能力があるからこそ、自分のイメージ通りにコントロールできるボールを求めていた。ウッズの使用球は昨年発売されたものだが、この契約前後でこのボールのシェアが1.7倍に伸びたとのこと。まさに"ウッズ効果"である。

シェア3位のタイトリストは、世界的なシェアをみれば圧倒的なトップである。これを支えているのも契約している世界ランク上位者である。ジョーダン・スピース(米国)、ヘンリク・ステンソン(スウェーデン)、アダム・スコット(オーストラリア)ら他を圧倒するプロを抱え、米ツアーでの使用率も1位である。

そのプロの評価を積み重ね開発した新商品ボールがすでに投入された。プロが使用するボールは繊細で難しいのでは?と思いがちだが、アクシネットジャパンインクの中村孝社長によると「ツアーで使われているボールは、技術開発が進み一般のゴルファーにとっても使いやすいボールになってきている。使用してその良さを体感してほしい」とのことである。プロの評価技術によって生み出されたボールが一般のゴルファーにも恩恵をもたらしている。

プロの評価技術については、私も世界のトッププロである、マット・クーチャー、ブラント・スネデカー(いずれも米国)の評価に立ち合ったことがある。その、ショットの繰り返し精度の高さに驚かされた。

微妙な違いを評価できるプロの技術力

テストコースの平たんな状態で、同じクラブを繰り返し打つと、ボールはほとんど同じところへと飛んで落ちていく。この技術があるからこそ、微妙な性能の違いを評価できるのだ。その評価能力こそ、新商品開発の原動力となっているのだ。

プロの厳しくも高い評価能力から生み出されたボールが注目されるのは、契約選手の活躍だが、中でもメジャー大会でのインパクトとなると一層大きいものがある。

4月のマスターズ、6月の全米オープン、7月の全英オープン、そして8月の全米プロである。ボールは直径42.67ミリメートルで、テレビ中継ではよほどアップにならないと、どのメーカーのものか分からない。

ボールのロゴが大きく映って有名になった場面は05年のマスターズだった。ウッズが最終日の16番(パー3)でチップインバーディーを決めた瞬間である。カップに入るか入らないか最後の一転がりは、まるで時間が止まったようだった。テレビカメラがズームアップするなかでボールはゆっくりと落ちていった。そのとき、ブランドのロゴがちょうど大写しに。後々まで語られる伝説的な名ショットだったからこそ、宣伝効果はこれ以上ないものとなった。

プロの高い技術と、その厳しい評価に育てられたギアがうまくかみ合って生まれた夢のような瞬間――。もちろん、これはめったに起こることではない。ただ、裏方としてプロを支えるメーカー担当者は「夢よ、もう一度」と願い、日々の研究にまい進しているのだ。

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