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サポーターと日本で触れ合い 驚きと感激の連続

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昨年暮れ、サッカー日本代表の本田圭佑氏が実質的なオーナーを務めるオーストリア2部リーグのSVホルンから選手がやってきて、千葉・幕張と大阪・堺の2カ所で小学生を対象とするサッカー教室を開いた。特に12月18日に幕張の「ZOZOPARK HONDA FOOTBALL AREA」で開催したサッカークリニックにはイバン・ルビッチ(20)、アルバート・バルチ(21)というオーストリア人選手が参加。彼らも日本滞在から大きなインパクトを受けたようだった。

もっと日本を選手にも認知してもらう

今回ホルンから日本にやってきたのは、前回のこの連載に登場したマーケティング担当のフィリップ・フェッファー氏に両選手を加えた3人。15日に日本に到着し20日に帰国するまでの間、横浜でのクラブワールドカップ(W杯)の観戦、スポンサーへのあいさつ回り、日本にいるSVホルンのファン、サポーターとのオフ会、延べ160人ほどのキッズと交流した幕張でのサッカークリニックなど、精力的にスケジュールをこなした。

彼らに同行したSVホルンの大本拓マネジメント&スポーツダイレクタ―(以下SD)は今回の目的を「日本という国をもっと選手にも認知してもらおうということ。現地にはいまだに日本からお金を持った人間がやってきて、ホルンで好き勝手なことをしていると思っている人がいる。そういう偏った印象を直すというか、ホンダエスティーロが目指すものを選手にも見て、肌で、感じてほしいと思った」と語る。

センターバックもサイドバックもこなす1995年7月2日生まれのDFバルチ選手、96年7月7日生まれのMFルビッチ選手とも今季は主力としてプレーし、そろって2得点を挙げている。まだ少年の面影を残す、若い2人を連れてきたのは「育成型のクラブとして大きく育ってほしい選手がいる。彼らがまさにそう。若いけれど人間性がしっかりしていて、短い滞在の間でもいろいろなことを真剣に吸収してくれると思った」(大本SD)。

その願いは達せられたようで、2人とも日本での日々について「サプライズ」「インタレスティング」を連発した。特に驚いたのは12月17日に新宿で行った、SVホルンのファンクラブである「オンラインラウンジ」のオフ会。そこには約100人のファンが集まって両選手を握手やサイン攻めにした。

ルビッチ選手は「とにかくサプライズの連続だった。話には聞いていたけれど、本当に大勢の日本のファン、サポーターが集まってくれ、欧州のサッカー選手として私たちに接してくれた。日本の人がホルンまで来るのは簡単じゃないと思うけれど、実際にスタジアムに来て、雰囲気を知ってもらいたいと思ったし、見にきてくれたら特別な恩返しをしたいとも思った」と興奮気味に話した。

シーズンへのモチベーション高まる

サッカークリニックの方も大盛況だった。告知から開催日まで日にちが少なく、どれだけの参加者が集まるのか心配されたが、応募を始めると問い合わせが殺到。通常のイベントより速いペースで定員は埋まり、キャンセル待ちが出るほどだった。子供たちにとっては海外のプロ選手と触れ合う機会はそうそうあるわけではなく、閉会後は両選手にサインを求める行列ができていた。

オフ会、クリニックと連日、ファン、サポーターの熱気に触れたバルチ選手は「ホルンから遠く離れた日本で、こんなにも大勢の人が我々の試合に関心を持って見てくれているということにグレートな感情を覚えた。(2月24日に)再開するシーズンへのモチベーションが高まったし、彼らにもっと多くのものを与えなければならないと思った」と、こちらも強烈な刺激を受けた様子だった。

2016年シーズンのホルンは現在10チーム中8位と、降格圏(9位以下)は脱したものの苦戦中だ。首位のLASKは勝ち点40(12勝4分け4敗)で、ホルンは同19(5勝4分け11敗)と大きく離されている。3部から2部に昇格した際、大幅に選手を入れ替えた。そのために「新しい選手があちこちにいて、ピッチ上でコミュニケーションを取るのも簡単じゃなかった。その問題を解決するにはある程度の時間が必要で、それは昇格したクラブの新シーズンならではの問題だった」とバルチ選手。「でも、時間を重ねることで一つのチームらしくなってきたし、後半戦はもっとよくなると確信している。上位を目指して頑張っていきたい」と2月からの残り16試合、巻き返しを誓う。

まだ若いだけに個人的にも将来には大きな夢を持っている。いつかはオーストリアを出て、欧州五大リーグと呼ばれるイングランド、ドイツ、スペイン、イタリア、フランスのトップリーグでプレーすることだ。そのためには「どんどん自分のスキルを高めて、出場するすべての試合でいいプレーを見せられるようにならないといけない。レギュラーとしてアピールし続けることが大事になる」とルビッチ選手。バルチ選手も「ホルンはそういうビッグチャンスを手に入れられる場所だと思っている。いつか大きな契約に結びつけたい」。

外国からの刺激はすごくいいこと

経営陣や監督、スタッフに日本人が多いホルンに身を置くことに抵抗はない。むしろ「そこがこのクラブの興味深いところ。自分がここにいるのはホルンには大きなプロジェクトがあることも理由の一つ。日本のサッカーは発展していて、W杯にも毎回出ている」とルビッチ選手。「オーストリアのような(マーケットが小さい)リーグには外国からの刺激はすごくいいこと。新しいものが入ってくることによってよいことも起きる。大本さんみたいに選手とコミュニケーションを取り、成長に手を貸してくれる人もオーストリアにはそうはいない」とバルチ選手。

2人が滞在中、クラブW杯でJリーグ王者の鹿島が世界2位になる快挙を果たした。人口約6万7千人の茨城県鹿嶋市のクラブが起こした"奇跡"は世界中に報じられた。本田氏はホルンをいずれ欧州チャンピオンズリーグに出るようなクラブに成長させたいと思っている。現状からは、こちらも相当な難事業のように思える。しかし、バルチ選手は語る。

「選手にとって高い目標を掲げるのは大切なこと。自分のためにもクラブのためにも毎日ベストを尽くすことで、そのターゲットにたどり着くことは可能になる。小さい目標を持つ大事さも分かるけれど、フットボールに不可能はない。あらゆるクラブがターゲットに向かって活動している。ホルンだけ達成できない、ということはないと思う。可能性はみんな一緒でしょう」

どこまでも前向きなのは若さの特権か。ホルン郡の中でも人口は3万人ちょっとというところからやってきたから、目に飛び込んでくる「クレージー」としかいいようがない髪形、ファッションには面食らうことも多かった。渋谷のスクランブル交差点では人の洪水に圧倒された。しかし「東京に来るチャンスは人生の中でいくらあるかわからない。本当に貴重な経験をした。見聞したこと、あったことは帰ったら、家族にもクラブの仲間にも伝えたいと思う」と語る口調は地に足が着いている。だからこそ"伝道師"として選ばれたのだろうが、日本の20歳前後のJリーガーと比べたとき、この「大人な感じ」はどこから来るのか、掘り下げてみる必要はあるのかもしれない。

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