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喜びも悲しみも ブラジルサッカー界この1年

サッカージャーナリスト 沢田啓明

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今年は、ブラジルサッカーにとって近年の低迷から抜け出す節目の年となった。

その流れをつくったのが、8月のリオデジャネイロ五輪優勝だった。2年前の自国開催のワールドカップ(W杯)で、全国民から優勝を期待されながら、準決勝でドイツの前に1-7という屈辱的な敗戦。3位決定戦でも、オランダに完敗を喫した。「サッカー王国」の自信が粉々になり、プライドを引き裂かれた。もしこの五輪でも優勝を逃せば、わずか2年の間に開催したW杯と五輪で何も手にしなかったことになる。それは、ブラジル人にとって耐え難いことだった。

五輪ではA代表のエース、FWネイマール(バルセロナ)を南米選手権を回避させてオーバーエージ枠で招集し、ガブリエルジェズス(パルメイラス、来年1月からマンチェスター・シティー)、ガブリエルバルボサ(当時サントス、現インテル)ら若手と組ませた。守備も、A代表でもレギュラーのマルキーニョス(パリ・サンジェルマン)を中心に連携を深めた。

五輪初の金メダル、取り戻した自信

ところが、1次リーグ最初の2試合でいずれもスコアレスドロー。決定機を再三外したネイマールは、痛烈な批判を浴びた。しかし、続くデンマーク戦はガブリエルバルボサの2得点などで圧勝。以後はまるでつき物が落ちたかのように選手たちが伸び伸びとプレーし、準々決勝でコロンビア、準決勝でホンジュラスに快勝。決勝では2年前の因縁の相手ドイツと対戦し、延長、PK戦の末に下して初の金メダルを獲得した。

この優勝で選手、メディア、国民の誰もが自信を取り戻した。

9月に再開された2018年W杯南米予選では、名門コリンチャンスを率いて12年に世界クラブ王者に輝いた実績を持つチチ氏が采配を振るった。4-1-4-1のフォーメーションで、高い位置から連動してプレスをかけ、中盤までにボールを奪うと人数をかけて相手ゴールに襲いかかるスタイルを確立。ネイマール、ガブリエルジェズス、MFレナトアウグスト(北京国安)、CBマルキーニョスら五輪金メダリストたちがA代表でも主力となった。

チチ監督は卓越した戦術家である一方、選手の適性とコンディションを見極める眼力が秀逸。チーム内での激しい競争を促しながら、試合に出ない選手にも気配りを欠かさない高度なマネジメント能力の持ち主である。

アウェーのエクアドル戦でガブリエルジェズスの全得点にからむ活躍で3-0と快勝すると、難敵コロンビアを苦しみながらも倒し、ボリビア、ベネズエラには圧勝。今予選の最大の山場と見られていたホームでの宿敵アルゼンチン戦でも終始、試合の主導権を握って3-0と快勝。さらに、アウェーでペルーを下した。

ブラジル、18年W杯出場をほぼ確実に

チチ氏が監督に就任してから、6戦全勝。順位を6位から首位へ上げ、まだ6節を残しているが18年W杯出場をほぼ確実にしている。

5月から12月まで行われたブラジル全国リーグは、パルメイラスがガブリエルジェズスを中心とする強力攻撃陣と組織的な守備で他を圧倒。11月27日、ホームでシャペコエンセを1-0で下し、22年ぶり5度目の優勝を遂げた。サントス、フラメンゴ、アトレチコ・ミネイロが上位に入り、1部へ復帰したばかりの古豪ボタフォゴが5位と健闘した。

ところが翌28日、思いもよらぬ悲劇が起きた。パルメイラスとの試合の翌日、南米のクラブカップであるコパ・スダメリカーナの決勝第1レグをアトレティコ・ナシオナルと戦うためサンタクルス・デ・ラ・シエラ(ボリビア)を経て試合地コロンビア中部のメデジンへ向かっていたシャペコエンセの一行を乗せた飛行機が空港手前の山岳地帯に墜落。選手19人、監督・コーチらクラブ関係者26人、遠征に同行していた報道陣20人、乗員6人の計71人が死亡したのである。

実は、私は27日のパルメイラス―シャペコエンセの試合を取材していた。この試合が終わってからわずか30時間後に起きた大惨事に、言葉を失った。

犠牲者の中には09年に神戸を率いたカイオジュニオール監督、05年に柏でプレーしたMFクレーベル・サンタナ、12年にC大阪、13~14年に千葉で活躍したFWケンペス、10年に京都でプレーしたDFチエゴ、昨年、川崎に在籍したMFアルトゥールマイアとJリーグ経験者が5人もいた。

生き延びたのは選手3人、ブラジル人ジャーナリスト1人、乗員2人の6人だけ。選手のうち、GKフォウマンは右脚の膝から下を切断しており、選手生命を絶たれた。他の2選手も今後、ピッチに立てるかどうかは不明だ。

世界各国の選手やファンに連帯感

この事故はすぐに世界中へ知れ渡り、各国でサッカー関係者とファンが哀悼の意を表し、試合前に黙とうがささげられた。不幸な出来事を通じてではあったが、世界各国の選手、関係者、ファンらが強い連帯感で結ばれていることを認識させてくれた。

シャペコエンセはこの事故でクラブとチームがほぼ消滅してしまった。しかし、今年のコパ・スダメリカーナの優勝チームと認定されたことで、来年は超過密日程となる。6州の強豪クラブを集めたプリメイラ・リーガ、州選手権、コパ・ド・ブラジル、全国リーグに加え、コパ・リベルタドーレスへの初挑戦、8月にはバルセロナ主催のジョアン・ガンペール杯と日本で行われるスルガ銀行チャンピオンシップ(対戦相手は今年のYBCルヴァンカップの覇者・浦和)に出場するからだ。

今月9日、クラブはバグネル・マンシーニ監督の就任を発表した。現役時代はボランチで、グレミオ、パウリスタなどで活躍し、サントス、クルゼイロなどビッグクラブの監督を務めた経歴を持つ。

クラブは強化部門のスタッフも選任し、新チーム結成へ向けて動き始めた。

来年は、3月に18年W杯南米予選が再開され、ブラジルはアウェーで強豪ウルグアイと、ホームでくせ者パラグアイと対戦。その後、8月にエクアドル、コロンビアと、10月にボリビア、チリと戦う。クラブレベルでは、パルメイラス、サントスら8クラブのコパ・リベルタドーレスでの戦いぶりが興味深いし、シャペコエンセの再建にも注目したい。

サッカーはピッチの上で行われるもの。来年はピッチ上の出来事だけが話題となることを願っている。

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