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強いチェルシー、手堅いリスク管理にイタリアの香り

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イングランド・プレミアリーグは前イタリア代表監督のコンテ新監督が率いるチェルシーが首位に立っている。現在、9連勝中で、15節終了時点の勝ち点は37。20年ぶりの2桁順位(10位)に沈んだ昨季とはうって変わり、安定した力を発揮している。(記録は13日現在)

9月にリバプール、アーセナルを相手に2連敗したが、その後、システムを4バックから3バックに変えたことが大当たりした。

コンテ監督がかつて率いたユベントス(イタリア)に似た形で、守備を基本にした3バックだ。プレミアリーグは世界の有力選手が集まっていて、気の抜ける相手がない。だから、手堅く戦おうということだろう。

パリ・サンジェルマン(フランス)から復帰したCBダビドルイスを3バックの真ん中に置き、役割分担をはっきりさせた。ふらふらと攻撃参加しがちだったダビドルイスが余計なことをしなくなり、彼自身も本来のパフォーマンスを取り戻した。

CBの前に、レスターから獲得したMFカンテがいて、スクリーンとなって相手のパスコースを消すとともに、豊富な運動量でこぼれ球を拾ってくれる。

昨季の不振を脱したディエゴコスタ

GKクルトワ、CBダビドルイス、MFカンテ、CFディエゴコスタと縦のラインがしっかりしているのが強みだ。ディエゴコスタは前線で縦パスの的になり、粘ってボールを後方に残してくれる。自身も12得点、5アシストと昨季の不振を脱した。

ディエゴコスタがいるからこそだが、つなぐのが苦しくなったら無理をせず、単純にロングボールを蹴る。その割り切りがいかにもイタリア人監督が率いるチームらしい。とにかくイタリアの香りが強い。

ボールを持つと脅威になるアザールは相手を自分に引きつけることができる。そうなったら、モーゼスやペドロは寄っていかず、アザールに任せてしまう。

ボールを失ったときのために相手のカウンターに備えるポジションを取る。そこにもコンテ監督の手堅さが表れている。リスク管理がきっちりできている。

攻撃の面でも決まり事がかなりある。たとえばウイングのペドロ(ウイリアン)が外に張ると、1列後ろのモーゼスが斜め前に動いて中央に切り込んでいく。

逆にウイングのアザールが中にボールを持ち出すと、1列後ろのアロンソがサイドを駆け上がるという具合だ。動きが非常に整理されていて、内外への2人の連動で巧みに崩す。ユベントスよりタレントがいるので、決まり事の上に様々なオプションが乗ってきている。

アザール、ウイリアン、ペドロなどボールを自分で運べるドリブラーがそろっているのもチェルシーの特徴で、これは他の強豪にも共通する。

近年、ボール保持が重視され、ボールを動かしているうちに隙間ができると考えられてきた。しかし、守備組織が整備され、パスをつないでいるだけでは崩れなくなった。

パスを回されても、守備側はポジションをスライドさせてブロックを保ってしまう。パスだけではゴール前に入っていけない。守備ブロックが強固になったため、個人の打開力がないと崩せない時代になった。

突破力のあるドリブラーをサイドに置いて、1対1の状況をつくり、DFをかわしてクロスというのが定石になった。

マンチェスター・シティーは昨季までバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)を指揮していた戦術家のグアルディオラを新監督に迎えた。前節、レスターに敗れ、勝ち点30の4位。まだ選手の能力の見極めの段階にある印象がある。

B・ミュンヘン時代のような極端なことにはチャレンジしていない。「これ、どうなっているの?」という驚きはなく、普通のサッカーをしている。

これまで率いたバルセロナ(スペイン)、B・ミュンヘンもタレント集団だったが、マンチェスターCはそれ以上に個々の質が高い。だから、それほどポジションを転向させる必要がないのかもしれない。

グアルディオラ監督、「実験」の余裕なし

スペインはバルセロナとレアル・マドリード、ドイツはB・ミュンヘンとドルトムントという2強の力が飛び抜けていて、その下のチームとの差は開いている。その分、様々なテストをする余裕があった。

しかし、世界のスターが集結したプレミアリーグはトップ6の力は拮抗していて、中位以下のチームとの戦いも気が抜けない。

だから、グアルディオラ監督はB・ミュンヘン時代のような実験ができないのではないか。新しいことを試していると足をすくわれる。余裕がないので、いまのところ、変わったことにチャレンジできないのかもしれない。

中盤はフェルナンジーニョ以外はすべて攻撃型の選手で、へたをすると前掛かりになりすぎて相手のカウンターの餌食になる。

グアルディオラ監督は基本的にはボールの保持率を高めて、相手を圧倒したいのだろうが、ボールをなかなか離さない選手が多いのが気になる。

アグエロもヘススナバスもデブルイネも自分で打開しようとしすぎる。ドリブラーが必要という話と矛盾するかもしれないが、動きの関連性が薄れてバラバラになってしまう。

 バルセロナのイニエスタやかつてのシャビのような戦況を読める選手がいないので、テンポが変えられない。どんなにすごい選手がいても、相手は慣れてくる。役割分担がはっきりせず、寄せ集め的な組織の弱さが出る傾向がある。

チェルシーのセスクのような中盤で展開する選手がいないのも弱みだろう。だから、CBのストーンズらから展開させている。

昨季までチェルシーを率いていたモウリーニョ監督が就任したマンチェスター・ユナイテッドは厳しい状況にある。首位チェルシーとの勝ち点差が13と開き、6位に停滞している。

100億円を超える移籍金で獲得したポグバの使い方が難しい。フェライニとキャラがかぶるし、野生に任せてめちゃくちゃなことをするのでチーム戦術にはめにくい。ポグバを中央に置くことで、どこかにしわ寄せが出る。

前線のイブラヒモビッチ、ポグバ、フェライニら規格外の選手がそろっているが、独りよがりになりがちで、約束事をたくさん設けるモウリーニョ監督との相性がいいとは思えない。

戦術浸透してきたリバプールが台風の目

いまのマンチェスターUを見ていると、統率された感じがせず、モウリーニョのチームらしくない。監督も迷っているのかもしれない。何を目指しているのかが見えてこない。

そもそもモウリーニョは力が2、3番目のチームを率いて、相手の持ち味を消すのが得意な指導者。本来はチェルシー時代のように守備から固めていきたいはずだが、名門マンチェスターUではそういうことがしにくいのかもしれない。

内外からのプレッシャーもかなりあるだろう。どのチームでも就任2年目に結果を残してきたが、このままでは途中解任の可能性もある。

台風の目になるのがリバプールだろう。現在、勝ち点31で3位。選手の質はチェルシー、マンチェスターCより落ちるが、昨季途中に就任したクロップ監督の戦術を選手が理解してきた。勝負へのこだわりが薄く、美しさを求めるベンゲル監督のアーセナル(勝ち点34で2位)より期待が持てる。

最終的にはチェルシーとマンチェスターCの優勝争いになると思う。チェルシーはチームとして、もうできあがっている感がある。チームは生きものだから、いずれ悪くなることもあるだろう。しかし、昨季、10位に沈んだため、今季は欧州チャンピオンズ・リーグ(CL)の戦いがないことがアドバンテージになる。

グアルディオラ監督のことだから、マンチェスターCは戦いながら個々の役割を整理し、連携を高めていくはずだ。これからが見ものだ。コンテ監督とグアルディオラ監督は哲学が正反対だけに今後の戦いが興味深い。

(J1元仙台監督)

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