車いすラグビー米に惜敗 1点差「内容負けてない」
準決勝は世界ランク2位の豪州戦
車いすラグビーは16日、1次リーグ最終戦が行われ、B組で世界ランク3位の日本は同1位の米国と延長戦の末、56-57で敗れた。2勝1敗で2位通過となり、17日の準決勝はA組1位で世界ランク2位のオーストラリアと戦うことになった。
残り時間4.8秒。1点を追う日本は、短時間でも得点できるスペシャルプレーを繰り出した。主将の池がスローインで若山にパス。スローインのボールに選手が触れた時点から時計が進むので、若山はなるべく相手ゴールに近いコートの中間あたりで待ち構えてボールを池に打ち返し、拾った池が素早くゴール付近にいた、エースの池崎へ得意のロングパスを投げた。
キャッチすれば得点の可能性が高かったが、池崎を3人で挟み込んだ米国選手がカットし、ゲームオーバー。池崎は「もう少し、もう少し、もう少し(だった)。(ボールの)風は感じた」と悔しそうに話した。
強豪の米国と一進一退の攻防を続けた。第4ピリオド残り12秒9で日本が1点リードしていたが、米国の素早い攻守の切り替えに対応できず、相手エースのアオキに走られて同点を許し、3分間の延長戦に突入した。
車いすラグビーでは攻撃側が90%以上の確率で得点できるので、ミスでターンオーバーされるのは致命的。日本は5つのターンオーバーをとられたのに対し、米国は4つ。若山は「ボールにプレッシャーをかけ、相手のミスを誘うのが米国のスタイル。そこが地力の差」と話した。
それでも、池崎が相手選手を鋭いタックルで転がしてターンオーバーを奪うなど、日本の良さも随所に出た。池は「内容的には負けたと思っていない。決勝で米国とあたって真のチャンピオンになりたいという目標ができた」。
オーストラリアは昨年のアジアオセアニア選手権決勝で勝ったライバル。この日のような試合ができれば、必ず悲願のメダルへの道は開けるはずだ。
(摂待卓)