超高級ホテル、日本でも 欧州メリアホテルズ
欧州のホテル大手、メリアホテルズ(スペイン)は日本でホテル展開に乗り出す。2018年までに東京などで超高級ホテル「ミーバイメリア」などの開業をめざす。成長が期待される訪日外国人客の需要を取り込むほか、日本でブランドの認知度を高めて海外での集客につなげる。訪日客の増加や、20年の東京五輪・パラリンピックを見据えて、日本市場に参入する。
開発候補地は東京のほか京都、大阪、沖縄の4地域。メリアは全世界でホテルの運営受託(MC)を展開。一部はホテルブランドの「看板」を貸すフランチャイズチェーン(FC)方式も手がけている。日本でも海外と同じようにホテルの運営受託や、FC方式になるもようだ。
東京で開発をめざすミーバイメリアは、メリアが持つ3つの超高級ブランドのうちの1つ。世界で8施設を手がけている。観光客やビジネス客などを対象に、ホテル内での新たな過ごし方を提案する「ライフスタイル型」と呼ばれるホテルだ。
ライフスタイル型ホテルは単なる宿泊施設ではなく、社交などの面で新しい過ごし方を提案するホテルを指す。
特にミーバイメリアは宿泊客に応じて館内の音楽や照明、香りを管理する担当者を配置。ホテルは著名な現代建築家らがデザインするケースもあり、音楽や食にも工夫を凝らす。
日本進出で知名度を上げ、海外ホテルの集客力を高める狙いもある。世界の同社ホテルのうち、日本人による宿泊の売上高は15年、14年実績より2割増えたという。
16年も同様のペースでの伸びを想定している。日本の旅行会社との予約システム連携などで、販売を伸ばす戦略だ。国内進出により、さらなる宿泊客の積み増しに弾みをつける。
欧州のホテルグループのなかで総客室数が最も多いのは、英大手のインターコンチネンタル・ホテルズ・グループ(IHG)。2位は仏大手アコーで、メリアホテルズは3位。世界では370軒超のホテルを展開。15年の売上高は約2000億円と14年実績より16%増えた。
(企業報道部 新沼大)
[日経産業新聞7月27日付]
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