高速道路へのアクセス改善(よくわかる名駅開発)
リニア中央新幹線が開通すると品川―名古屋は約40分。名古屋圏全体でこの速さを生かすには、名駅から各地へのアクセス向上が必要となる。その手段の一つとして検討が進むのが名駅と名古屋高速道路の接続改善だ。
10月に非公開で行われた「リニア・高速道路アクセス向上調整会議」には愛知県、名古屋市のほか、県市が出資する名古屋高速道路公社などの担当者が参加した。
会議では名古屋高速の新洲崎ジャンクション(JCT)に名駅東側方面の出入り口を設ける方向で検討することを確認。名駅西側では黄金インターチェンジ(IC)の出入り口の方向を増やし、整備中の市道「椿町線」にアクセスしやすくする。市道「笹島線」も整備されると、名駅南側で東西の往来が容易になり、渋滞緩和にもつながる。
一方で、名古屋鉄道が再開発する新ビルに高速道路を直接乗り入れる構想は、事実上断念する見通しとなった。県や市などは早ければ年内にも開発の方向性を一般に示す見通しだ。
利便性アップには高速道路だけでなく、公共交通のアクセス向上も欠かせない。名古屋市などは名駅西口(太閤通口)広場に立体ターミナルを設け、高速バスや観光バスの乗降場とする方針だ。
市はさらに、新たな路面公共交通として、バス車両が専用レーンなどを走る「バス高速輸送システム(BRT)」を導入する方向で調整している。名駅から栄地区、名古屋城などの周遊にも役立てたい考え。
自動車産業が盛んな愛知県豊田市とのアクセスをよくするため、名鉄三河線の複線化も検討課題となっている。行政主体で連続立体交差化も進んでおり、特急で豊田市を40分圏内にする。