王さん「選手が頼もしかった」 WBCなど回顧
プロ野球ソフトバンクの王貞治球団会長(78)が18日、東京都千代田区の日本記者クラブで会見し、平成の野球界を回顧した。日本代表監督として世界一に輝いた2006年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を「日の丸を着けて向かっていった選手たちの姿は頼もしかった」と振り返った。
WBCではイチロー外野手や松坂大輔投手らを擁し、決勝でキューバを破り初代王者となった。「米国で戦っているうちに自信をつけてくれた。日の丸を着けるとパワーをもらう」と述べ「20年は日本開催だから、ものすごい力を発揮してくれるのではないか」と東京五輪で金メダルを狙う日本代表にエールを送った。
ダイエー(現ソフトバンク)を率いて出場した00年の日本シリーズでは巨人の長嶋茂雄監督との「ON対決」が実現。惜しくも敗れたが「常に弟分だったから何とかして兄貴を超えたい気持ちはあった。長嶋さんと戦えて特別な年だった」と盟友との対戦を述懐した。
1995年の野茂英雄投手のドジャース移籍をきっかけに、次々と日本選手が米大リーグへ挑戦する時代となった。有力選手のメジャー移籍については「米国の野球にコンプレックスがなくなった。野茂君が切り開いてくれたことが良かった」と功績をたたえた。近年は野球人口の減少が顕著となっており、裾野拡大へ「プロもアマもいろんな人が取り組んでいる。みんなが一本になって進めていかないと」と球界の団結を訴えた。〔共同〕