プロ野球開幕延期、選手「いい準備を」 調整に難しさも
新型コロナウイルスの感染拡大の影響でセ、パ両リーグの開幕延期が決まって一夜明けた10日、監督や選手は前向きに捉えながらも異例の状況への対応に難しさもにじませた。巨人の原辰徳監督は「ファンの方と一緒にということを強く思ってくれているというのは、われわれ現場としてもありがたい」と無観客での実施ではなく開幕を延期した判断を支持した。
阪神の矢野燿大監督はミーティングで選手に「今だからこそできることがある。ファンや子どもに夢を与えたい。元気を与えられるように、発信できることをやっていこう」と呼び掛けた。
ソフトバンクの王貞治球団会長はマスク姿で取材に応じ「野球をやる方も見る方も熱狂できる形でスタートしたい。そういった意味では待ちに待ったというのが強くなる」と言葉に力を込めた。
今後の日程は、12日に開かれる12球団代表者会議で協議される。ソフトバンクの工藤公康監督は「難しいが、みんなで出せる知恵を出してやっていくことが大事」と述べ、西武の辻発彦監督は開幕まで調整の場として練習試合の実施を求め「関東にいるチームとの試合なら苦労しなくていい。宿舎や移動手段を考えなくていいから」と話した。
ロッテの井口資仁監督は先発投手の調整に苦心し「オープン戦や練習試合がどうなるのか。決まるまではローテーション通りにいけたら。スタートの日が決まらないと難しい」と率直な思いを口にした。
日本代表で抑えを期待されるDeNAの山崎康晃投手は東京五輪の開催が危ぶまれている状況に「レギュラーシーズンもどうなるか分からない状況。いろいろな不安はあるが、とにかく自分のパフォーマンスを発揮できるように準備したい」と話すにとどめた。
西武の山川穂高内野手は8日の広島とのオープン戦で2本塁打と調子が上がっていただけに「目の感覚だけは忘れないようにしないと」と言う。楽天の銀次内野手は「時間をうまく使わないと。もう一度、春のキャンプの感じでやっていけたら」と気持ちを切り替えた。
広島の鈴木誠也外野手は「暖かくなってやる方が僕はありがたい」と話し、巨人の坂本勇人内野手は「いい準備をしていくだけ。いつ開幕しても大丈夫」と言い切った。
新監督にとっては初陣が遠い。広島の佐々岡真司監督は「早く開幕を迎えたいというのが正直なところ」と吐露。ヤクルトの高津臣吾監督は「いつ開幕するか決まっていない中での調整は難しい。でもファンに素晴らしいプレーを見せられるように全力を尽くし準備する」と神妙に話した。〔共同〕
新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
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