元関脇安美錦が引退 関取在位1位「未練はない」
大相撲の元関脇で西十両11枚目の安美錦(40)=本名杉野森竜児、青森県出身、伊勢ケ浜部屋=が名古屋場所10日目の16日、引退することが決まった。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が明らかにした。関係者によると、今後は年寄「安治川」を襲名し、後進を指導する見通し。
関取最年長の安美錦は名古屋場所2日目の8日に右膝の古傷を悪化させて3日目から休場。その後は再出場せず、9月の秋場所での幕下転落が確実となっていた。名古屋場所では魁皇と並んで史上1位の関取在位117場所だった。
安美錦は名古屋市瑞穂区の伊勢ケ浜部屋で「勝ち越しが消えて、気持ちも消えた。勝負をするために土俵に上がってきた。初めて今後のことを考えた。未練はない」とすっきりとした表情で話した。14日に師匠に引退を申し出たという。
伊勢ケ浜親方は「ここまでやったんだから本人が納得すればそれでいい。けがと向き合い、しっかり稽古をして長く相撲を取った。よく頑張った」とねぎらった。
青森県出身の安美錦は鰺ケ沢高から入門し、1997年初場所で初土俵。まわしを取って頭をつけるなど技巧派で鳴らし、2000年名古屋場所で新入幕、07年秋場所では新関脇に昇進した。
03年初場所8日目には横綱貴乃花を破り、貴乃花の現役最後の相手となったことでも知られる。〔共同〕