元貴乃花親方、社団法人設立 相撲道通じ青少年育成
昨年10月に日本相撲協会を退職した元貴乃花親方(元横綱)の花田光司氏(46)が19日、東京都千代田区のホテルで記者会見し「一般社団法人貴乃花道場」の設立を発表した。相撲道を通じた青少年の育成や、その精神を国内外に普及することなどを目的としている。
相撲の動きによる体の鍛え方や、礼節の重要性を伝えていく。花田氏は「裾野を広げる活動を以前からやりたかった。ここからまた新たなスタートをしていこうと思う」と抱負を語った。20日にはイタリアへ出発して活動を開始。7月には米ニューヨーク州で講演を行う。また夏の参院選出馬や将来的な政界進出は改めて全面否定した。
国内でも各地に足を運ぶ意向で「相撲に興味を持ち、力士になってくれる子が増えたら何よりうれしいこと」と述べた。
花田氏は現役時代に史上6位の優勝22度を記録。「平成の大横綱」と称され、大相撲ブームの立役者となった。2003年初場所で現役引退後は貴乃花部屋の師匠となり、新大関となった貴景勝関らを育成した。かつての弟子は右膝負傷を抱え、夏場所8日目から再出場する苦境だが「まだ上があるので目指してほしい」と横綱昇進を願った。貴乃花道場の理事長は国連教育科学文化機関(ユネスコ)元事務局長の松浦晃一郎氏が務める。
兄で元横綱3代目若乃花の花田虎上氏は東京都墨田区の両国国技館で「子供たちに(普及する)と聞いている。どういうふうにやっていくか楽しみ」と言及した。〔共同〕