地盤ネット、防災科学技術研究所と地震動予測のための地下構造評価システムを住宅地盤に活用する共同研究を開始
【プレスリリース】発表日:2019年6月25日
国立研究開発法人防災科学技術研究所と地盤ネット
地震動予測のための地下構造評価システムを住宅地盤に活用する共同研究を開始
地盤ネットホールディングス株式会社(東京都千代田区、代表:山本 強)の子会社、地盤ネット株式会社(東京都中央区、代表:伊東洋一、以下地盤ネット)は、5月31日、国立研究開発法人防災科学技術研究所(本所所在地:茨城県つくば市、以下防災科学技術研究所)で研究されている地震動予測のための地盤情報管理クラウドシステムを活用し、住宅の地盤調査や建物評価に実用化する共同研究実施の契約を締結しました。
■これまでの共同研究経緯と成果
年間5万棟の戸建て地盤調査を実施する地盤ネットでは、自然災害の多発する日本において、生活者の住まいが地震発生後も被災することなく住み続けられるよう、住宅地盤調査の精度向上に向けて研究を重ねています。
2011年の東日本大震災では、被災エリア内の調査済み物件の被害件数はゼロでしたが、2016年4月に起きた熊本地震では3ヵ所の被害がありました。従来の調査手法「SWS試験」では問題のない宅地で、詳しい原因を究明するため、同年6月、防災科学技術研究所で、浅部深部統合地盤のモデル化手法として用いられていた「微動探査」の試験的測定を実施。これにより従来の調査方法では見えなかった障害物による高止まりや地形・地質の「隠れたリスク」の問題が明らかになりました。
同年10月、共同研究を開始し、地盤ネットは、民間初となる微動探査を活用した「地震 eye(R)」のサービスをリリース。「地震 eye(R)」は、従来の調査手法「SWS試験」と「微動探査」をセットで実施し、見えないリスクを把握することができる業界唯一の地盤調査サービスとしてスタートしました。現在では「地震 eye(R)」の調査結果をもとに、住宅建築や不動産売買において通例、免責事項として扱われている自然災害による損害賠償について、震度5強までの地震による液状化被害には補償特約の発行を実現しています。
■今年度の共同研究テーマと活動計画
今回の共同研究のテーマとしては、深部(深さ10m~3,000m)の地盤構造把握に利用されてきた「微動探査」を、戸建て住宅に影響を及ぼす浅層部(深さ0~数10m)で評価する方法の検証や、微動探査によって計測できる局所的な地盤面の揺れやすさ(表層地盤増幅率)を住宅設計に取り入れた住宅モデルの開発、また、軟弱層の把握および液状化判定へ活用など、精度の高い地盤調査の民間普及を計画しています。[詳細別紙]
また、地下構造データだけでなく、防災科学技術研究所で公表している様々な防災情報とのマッシュアップを行う事で、地盤情報をベースとした土地選びや住宅建築など、民間分野での活用から防災・減災活動について提言を進めていきます。
地盤ネットでは、今回の共同研究を通して、自然災害における住宅被害ゼロを実現し、生活者が安全で豊かな暮らしを持続できる社会の形成に貢献してまいります。
※参考画像・別紙は添付の関連資料を参照
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参考画像
https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0512886_01.JPG
別紙