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東大・旭川医大・近畿大、細胞から染色体1本を取り出して解きほぐす技術を開発

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【プレスリリース】発表日:2018年9月12日

細胞から染色体1本を取り出して解きほぐす技術を開発

~基礎生命科学から、がん/再生医療まで幅広い研究分野への貢献に期待~

1.発表者:

高橋 智博(東京大学 大学院工学系研究科 機械工学専攻 修士課程 2年生[研究当時])

オケヨ ケネディ(東京大学 大学院工学系研究科 機械工学専攻 助教[研究当時]/京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 講師[現在])

上田 潤(旭川医科大学 教育研究推進センター 准教授)

山縣 一夫(近畿大学 生物理工学部 准教授)

鷲津 正夫(東京大学 大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 教授)

小穴 英廣(東京大学 大学院工学系研究科 機械工学専攻 准教授)

2.発表のポイント:

◆顕微鏡のステージ上に設置したマイクロ流体デバイス(注1)内で、リアルタイム観察しながら、狙った1個の動物細胞を破砕して染色体(注2)を取り出し、次いでマイクロ流体デバイス内の溶液条件を制御することによって染色体の折り畳み度合いを低下させて解きほぐし、クロマチンファイバー(注3)へと展開する技術を開発しました。

◆未分化度の高い細胞由来の染色体ほど、折り畳み構造の安定性(注4)が低いということを、1細胞・1分子レベルのリアルタイム観察実験により初めて直接的に明らかにしました。

◆細胞分化/未分化状態の制御・維持機構解明や、がん/再生医療といったエピジェネティクス(注5)研究のための実験を1細胞レベルで行うために、非常に有用な手法となる事が期待されます。

3.発表概要:

東京大学大学院工学系研究科の高橋智博大学院生(研究当時)、小穴英廣准教授らの研究グループは、旭川医科大学の上田潤准教授、近畿大学の山縣一夫准教授との共同研究により、顕微鏡のステージ上、マイクロ流体デバイス内で、狙った1個の動物細胞を破砕して染色体を取り出し、マイクロ流体デバイス内の溶液条件を制御することによって「顕微鏡下・その場」で染色体の折り畳み度合い変化のリアルタイム観察および解きほぐしを行い、クロマチンファイバーへと展開する技術を開発しました。この手法を用い、分化細胞由来と未分化細胞由来の染色体の折り畳み構造の安定性をそれぞれ調べて比較した結果、未分化細胞由来の染色体の方が、折り畳み構造の安定性が低いことを初めて直接明らかにしました。本実験手法は、細胞分化/未分化状態の制御・維持機構解明や、がん/再生医療と関わりの深いエピジェネティクス研究を「1細胞・1染色体レベル」で行うための非常に有用な手法となる事が期待されます。

4.発表内容:

現在のエピジェネティクス研究は、種々のクロマチン(紐状のDNA-タンパク質複合体)解析法を駆使して進められていますが、これら解析法は一般に、細胞集団から抽出したクロマチンの(多分子)集団に対して行うため、得られる情報や値は集団平均となっています。また、細胞からクロマチンを抽出する際にクロマチンの断片化が起こるため、解析で得られた情報がゲノムDNA鎖上のどの位置由来の情報なのか、位置情報同定には既存のゲノムデータベースとの比較などの手間を要します。もし、顕微鏡下で狙った1個の細胞から染色体を取り出し、その場で断片化させずにクロマチンファイバーへと展開させてヒストンが修飾されている位置や、興味あるタンパク質と相互作用している位置を直接観察により同定するという解析手法が実現すれば、個々の細胞についての空間分解能の高いエピジェネティックな情報が簡便に得られるようになります。しかし、動物細胞のクロマチンファイバーは、解きほぐしたときの1本の長さが数mm以上にも及ぶほど長大です。そのため、顕微鏡視野下で細胞から染色体を取り出して個別に取り扱い、断片化を抑えつつ所望の空間分解能が得られる程度までに解きほぐすことは非常に困難であり、1細胞由来の個々のクロマチンファイバーに対する、直接観察に基づいたエピジェネティック解析手法は実用化されていません。

そこで本研究グループは、マイクロ流体デバイス技術(図1)と光ピンセット(注6)技術を応用し、狙った1個の細胞から染色体を取り出し、「顕微鏡下・その場」で断片化を抑えて染色体を展開させる技術の開発に取り組みました(図2)。ここでは、本手法の有用性を示すため、実験試料として未分化細胞と分化細胞を用い、それぞれの細胞から取り出した染色体の折り畳み構造の安定性を1細胞・1分子レベルで調べることと共に、細胞の分化度と染色体の折り畳み構造の安定性との間に相関があるかどうか調べることにも取り組みました。その結果、ほ乳類(マウス)細胞から染色体を取り出し(図3)、マイクロ流体デバイス内の所定の位置へ搬送・係留し(図4)、マイクロ流体デバイス内の溶液条件を制御して「顕微鏡下・その場」で染色体を解きほぐしてクロマチンファイバーへと展開する事に成功しました(図5)。ここでは、未分化細胞由来の染色体の方が、折り畳み構造の安定性が低いことについても初めて直接明らかにしました。

これまでにない1細胞を起点とした染色体及びクロマチンの単分子操作・解析技術が実現すれば、細胞分化/未分化状態の制御・維持機構解明とその応用を目的としたエピゲノム研究における強力な実験ツールとして利用され、基礎生命科学分野のみならず再生医療やバイオ産業の発展に大きく貢献する事が期待されます。今後は、取り出した染色体の染色体番号識別やクロマチンファイバー上での特定塩基配列部の可視化技術を開発し、1細胞・1分子レベルのエピジェネティック解析技術開発を進めていく予定です。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0490351_01.pdf

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