東証大引け 小幅続伸、米株高支えも上値重く 東エレクに買い
2日の東京株式市場で日経平均株価は小幅に続伸し、前日比24円30銭(0.11%)高の2万1754円27銭で終えた。米国と中国による貿易協議の再開合意を受けて前日の米株式相場が上昇し、東京市場でも運用リスクをとる動きが優勢だった。ただ、日経平均の前日の上げ幅が令和最大となり、約2カ月ぶりの高値圏で推移するなか、目先の利益を確定する売りに押される場面も目立った。1日を通して売り買いが交錯し、前日終値を挟んだ値動きが続いた。日中の値幅は86円91銭と、3月7日(70円04銭)以来の小ささだった。
前日に大幅上昇したため朝方は売りが先行した。早朝には「米通商代表部(USTR)は1日、欧州連合(EU)に対する追加関税のリストを発表した」と伝わり、米国発の貿易摩擦への懸念が改めて意識されたことも相場の重荷となった。
後場に入って54円高まで上げ幅を広げる場面もあったが、取引時間中に手がかりとなる材料が乏しかったうえ、週内に6月の米雇用統計など重要指標の発表を控えるなか、買いの勢いは続かなかった。中国・上海や韓国、台湾などの株式相場が総じて軟調だったことも下押し材料となった。
JPX日経インデックス400は小幅続伸。終値は前日比33.80ポイント(0.24%)高の1万4149.11だった。東証株価指数(TOPIX)も小幅続伸し、4.99ポイント(0.31%)高の1589.84で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆8938億円。売買高は10億203万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1429と、全体の66.5%を占めた。値下がりは628、変わらずは92銘柄だった。
患者本人以外のiPS細胞を使ったがん免疫治療薬の開発を始めると発表した富士フイルムが高い。東エレクやスクリンなど半導体関連株の一角が買われた。富士通や日立、京セラの上げが目立ち、味の素やSOMPOが上昇した。一方、開発中の抗がん剤の治験を中止したと発表した大日本住友が安い。資生堂や大和ハウス、大東建の下げが目立った。ファストリや楽天が売られ、国際石開帝石やJXTGも下落した。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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