東証前引け 続伸、米株最高値や香港株高を好感 ZHDとLINEが高い
18日午前の東京株式市場で日経平均株価は続伸した。前週末比63円47銭(0.27%)高の2万3366円79銭で前場を終えた。米中貿易協議の進展期待から前週末の米株式市場で主要3指数がそろって過去最高値を更新し、東京市場でも運用リスクを取る動きが優勢だった。アジア各国・地域の株価指数が堅調に推移すると、日経平均は上げ幅を100円超に広げた。ただ、日経平均が年初来高値圏で推移するなか、利益確定売りも出やすかった。JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は続伸した。
クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が米中貿易協議について「合意に近づいている」と述べたのに続いて、ロス米商務長官も15日、「両国は詳細を詰めている」と発言したと伝わった。米中協議が早期に合意するとの期待から、ダウ工業株30種平均は節目の2万8000ドルを初めて上回り、東京市場でも好感する買いが入った。
大規模デモの混乱が続く香港・ハンセン指数が上げ幅を広げると、日経平均は前週末比117円高の2万3420円まで上昇する場面があった。香港では18日早朝、多数のデモ隊が立てこもっていた香港理工大学に警察が突入。多数のけが人や逮捕者が出ていると伝わり、買い一巡後は伸び悩んだ。
日経平均は10月以降、世界の株式市場でいち早く騰勢を強めてきたため、足元では上値の重さが目立っている。市場では「米中貿易協議が進展すれば来期業績が回復するとの期待から株価が上昇したが、今後は業績数値の裏付けがない限り、一段の上値は追いにくい」(みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリスト)との声も聞かれた。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で8978億円、売買高は5億8654万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は942と、全体の約4割にとどまった。値下がりは1113、変わらずは95銘柄だった。
経営統合で基本合意書を締結したと発表したZHDとLINEが高い。東エレクは年初来高値を更新した。エーザイや任天堂が上昇し、ソニーやソフトバンクGが買われた。一方、セブン&アイや東レが安い。第一生命HDやT&Dの下げも目立った。旭化成や東芝、SUBARUが売られた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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