東証前引け 反発、一時700円高 米株高で買いも円高が重荷
27日午前の東京株式市場で日経平均株価は反発した。前日比230円70銭(1.24%)高の1万8895円30銭で前場を終えた。新型コロナウイルスの感染拡大に対応する大型の米経済対策が早期に成立するとの期待から、前日の米株式市場でダウ工業株30種平均が急伸した。米株高の流れを引き継ぎ、幅広い銘柄に買いが先行した。買い一巡後は戻り待ちの売りが出て、伸び悩んだ。東京外国為替市場で円相場が1ドル=108円台前半に上昇し、投資家心理に重荷となった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も反発した。
前日の米ダウ平均の上げ幅が1300ドル以上だったため、日経平均も寄り付き直後に上げ幅が700円を超えた。ただ、国内で新型コロナの感染者数が急増し、首都圏では今週末の不要不急の外出を自粛するよう住民に求めている。経済や社会活動の先行きへの不安は根強く、次第に上げ幅を縮小した。
27日午前には愛知県の大村秀章知事が「今週末、東京都への不要不急の移動自粛を県民にお願いしたい」と呼び掛けた。市場では「東京都の『ロックダウン(都市封鎖)』の現実味が増しているとして、中長期の機関投資家は様子見姿勢を強めた」(外資系証券のトレーダー)との声も聞かれた。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆5749億円、売買高は9億7664万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1554と、全体の約7割を占めた。値下がりは562、変わらずは52銘柄だった。
前日に米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が上昇した流れを受け、東エレクやアドテスト、信越化などハイテク株の一角が高い。テルモやアステラス、第一三共などヘルスケア関連株の上げも目立った。ヤマハや資生堂も買われた。一方、ファミマやセブン&アイが安い。ダイキンやホンダも下落し、電通グループやリコーが売られた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕