東証前引け 小幅続伸、中国統計を好感 機械など高い
17日午前の東京株式市場で日経平均株価は小幅に続伸した。前日比67円66銭(0.30%)高の2万2289円32銭で前場を終えた。朝方は個人投資家の売りも出て下落に転じる場面があったが、中国の経済統計が回復基調を示したことで、投資家心理が改善。短期売買の海外勢が株価指数先物に買いを入れ、輸出関連株を中心に幅広い銘柄が上昇した。前日の米半導体株高や円安・ドル高の進行も支えとなった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は反発した。
中国国家統計局が17日発表した3月の工業生産高は、前年同月と比べて8.5%増えた。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想の平均(6.0%増)を上回り、「底入れというにはまだ早いが、回復基調を示したことは機械株などの買い安心感につながる」(ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミスト)との声が聞かれた。コマツと日立建機が上げた。
前日の米株式市場で主な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が上昇したことや、外国為替市場で円相場が1ドル=112円台前半と約4カ月ぶりの安値を付けたことも支えとなった。輸出採算の改善期待から電気機器や自動車などに買いが入った。
ただ日経平均は前日までに4日続伸しており、上値では短期的な過熱感を意識した個人投資家の戻り売りも出ている。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆2814億円、売買高は7億21万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1121、値下がりは897、変わらずは113だった。
東エレクとアドテストの上げが目立った。安川電とオークマが上昇。トヨタとホンダが高い。一方、ソフトバンクグループ(SBG)が下げた。テルモとオリンパスが軟調に推移した。アステラスや中外薬、エーザイなど医薬品株が安い。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕