東証前引け 反発、米中摩擦の警戒和らぐ 低調な中国指標で上げ幅縮小も
14日午前の東京株式市場で日経平均株価は反発し、前日比129円46銭(0.63%)高の2万0584円90銭で前場を終えた。米通商代表部(USTR)が対中関税「第4弾」を巡り、スマートフォンやゲーム機などの一部品目の発動を12月に先送りすると発表した。米中貿易摩擦への警戒感が和らぎ、東京市場でも景気敏感株を中心に買われた。外国為替市場で円相場が対ドル・対ユーロで前日に比べて円安方向に進んだことで、輸出関連株の買いも誘った。
寄り付き直後に240円超まで上げ幅を広げた。米中貿易摩擦への警戒感が和らいだことに加え、内閣府が寄り付き前に発表した6月の機械受注統計で、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比13.9%増と、QUICKがまとめた民間予測の中央値(1.5%減)を大きく上回った。ファナックなど設備投資関連株の一角に買いが入り、相場全体を支えた。
その後は、上げ幅をじりじりと縮めた。日本時間午前11時ごろ発表の中国経済統計が市場予想を下回ったことなどを受け、外国為替市場で円が下げ渋った。また「米中貿易摩擦への警戒感が和らぎ、短期志向の投資家が内需株から景気敏感株へ資金をシフトさせた」(東海東京調査センターの仙石誠シニアエクイティマーケットアナリスト)ことで、鉄道、不動産などの内需株にも売りが広がった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も上昇した。
東証1部の売買代金は概算で9131億円、売買高は5億1743万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1461、値下がりは607、変わらずは79だった。
指数寄与度の高いソフトバンクグループ(SBG)やファストリが高い。TDKや東エレクが買われたほか、任天堂も堅調。半面、ダイキンや花王は安い。塩野義や中外薬も軟調。キリンHDは年初来安値を更新した。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕