東証前引け 続伸、円安や米株先物の上昇支え
23日午前の東京株式市場で日経平均株価は続伸した。前日比44円85銭(0.22%)高の2万0672円86銭で前場を終えた。前日の米国株市場で、小売業で市場予想を上回る四半期決算の発表が続いたのを受け、ダウ工業株30種平均が小幅に上昇して終えるなど株式相場が小康状態を保ったことが好感された。東京外国為替市場では円相場が円安・ドル高方向に振れ、景気敏感株の一角に輸出採算の改善を見込んだ買いが入った。日本時間23日午前のシカゴ市場の時間外取引で米株価指数先物が上昇したことも支えとなった。
23日の日経平均は下落して始まり、寄り付き直後に48円安まで下げる場面があった。IHSマークイットが22日に発表した8月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が、ほぼ10年ぶりに好不況の境目とされる50を下回った。世界景気の先行きへの不透明感が意識されたが、売り一巡後は上昇に転じ、一時は75円高まで上げ幅を広げた。ただ、米ワイオミング州で開催中の国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演を前に、持ち高を一方向に傾ける投資家は少なく、積極的に上値を追う動きも限られた。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も続伸した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で7804億円と、前日の前引け時点を下回った。売買高は4億5755万株。東証1部の値上がり銘柄数は1077と、全体の約5割を占めた。値下がりは938、変わらずは133銘柄だった。
日本製鉄やJFEが高い。東レや三菱電、任天堂の上昇も目立った。野村や大和が買われ、SUBARUやいすゞが上げた。一方、NTTやKDDI、NTTドコモなど通信株の一角が安い。村田製や富士フイルムの下げも目立った。HOYAや三井物、クボタが売られた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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