東証前引け 大幅続落、年初来安値を一時下回る ほぼ全面安
20日午前の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続落し、前日比356円49銭(1.70%)安の2万0631円43銭で前場を終えた。一時は2万0598円まで下げ、3月23日に付けた年初来安値(2万0617円)を下回った。米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見を受け、19日の米株式相場が急落。海外投資家の売りが日本の主力株に波及した。東証1部銘柄の9割が下げ、ほぼ全面安となった。
パウエル議長は経済成長の鈍化の兆しに言及する一方で、金融政策正常化の一環として進める資産圧縮について「変更はない」と発言。米国の金融引き締めが米国や世界の景気に与える悪影響が意識された。19日の中国・上海や香港株式相場の下落も重なり東京市場でも投資家心理が悪化。海外勢を中心に幅広い銘柄に売りが出た。短期志向の投資家の株価指数先物への売りも膨らんだという。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も続落した。前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆2774億円、売買高は7億8768万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1921、値上がりは172、変わらずは37だった。
ファストリやソフトバンクグループ(SBG)、ファナックなど値がさ株の下落が目立った。大幅安で始まったソフトバンク(SB)は上げに転じる場面もあったが、前引けは小幅に下げた。一方、武田と花王が上昇。スズキと昭和シェルが上げ、JR東海と東ガスも高い。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕