東証10時 下げ渋り 25日移動平均近辺で押し目買い、株主還元強化も支え
8日前場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は下げ渋っている。前日比230円ほど安い2万0500円台前半で推移している。貿易問題を巡る米中協議の先行き不透明感から、ファナックや日立建機といった中国関連株を中心に売りが続く。一方で、日経平均の25日移動平均(2万0530円前後)が目先の下値めどになるとみた投資家の押し目買いが相場の支えとなっている。
1000億円を上限にする自社株買いを取引開始前に発表したソニーが上げ幅を広げたほか、6日に6000億円規模の自社株買いを発表していたソフトバンクグループ(SBG)が1万円台を回復したことも相場を下支えしている。市場では「日電産など通期予想を下方修正しながらも株主還元策を強化する企業が多く、業績の実態は懸念したほど悪化していないとの見方も広がりつつある」(野村証券の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジスト)との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も下げ幅を縮めている。
10時現在の東証1部の売買代金は概算で8400億円、売買高は4億307万株だった。
TDKなど電子部品株の一部に加え、花王が下げ幅を広げている。ファストリや東エレクも安い。一方、テルモやスズキが上げ幅を拡大。KDDIやNTTなどの通信株も高い。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕