NY商品、原油が反落 米在庫が2年ぶり高水準 米中摩擦も重荷
【NQNニューヨーク=古江敦子】12日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場が大幅に反落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の7月物は前日比2.13ドル(4.0%)安の1バレル51.14ドルで終えた。米国の原油在庫の増加基調が続いており、需給悪化が長引くとみた売りが膨らんだ。
米エネルギー情報局(EIA)が午前に発表した石油在庫統計で原油在庫が市場予想に反して増加し、2017年7月以来ほぼ2年ぶりの高水準となった。EIAが11日に公表した月報では19年の世界の原油需要見通しを大幅に引き下げており、想定以上に在庫がだぶつくと懸念された。
米中貿易摩擦の長期化が世界景気の減速を促すとの懸念も引き続き相場の重荷だった。ロイター通信は12日、28~29日の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)での米中首脳会談実施の可能性について「両政府の関係者は、首脳会談に向けた準備は進めていないと述べており、歩み寄りの兆しはない」と報じた。
金先物相場は続伸した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で、取引の中心である8月物は前日比5.6ドル高の1トロイオンス1336.8ドルで終えた。米株式相場が下落し、現物資産の裏付けのある金先物にリスク回避目的の買いが入った。早期の米利下げ観測が根強く、金市場への資金流入が続くとの見方も相場を下支えした。
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