NY円、小反落 1ドル=106円55~65銭、米金利低下や株安で下げ渋り
【NQNニューヨーク=滝口朋史】13日のニューヨーク外国為替市場で円相場は小幅に反発し、前日比15銭円安・ドル高の1ドル=106円55~65銭で終えた。アジアや欧州市場で円が売られた流れを引き継いだが、米長期金利の低下や米株式相場の下げ幅拡大を受けて下げ渋った。日米金利差の縮小観測などから取引終了にかけて円買いが入った。
米労働省が発表した2月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇、食品とエネルギーを除くコア指数も0.2%上昇し、市場予想に一致した。いずれも1月分に比べ上昇率が縮小し、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが加速するとの思惑が後退した。米長期金利の指標である10年物米国債が買われ利回りが低下した。
米株式市場でダウ工業株30種平均が171ドル安で終えた。株安で投資家が運用リスクを取りにくくなるとの見方から、低金利で投資資金の調達通貨とされる円が買われた。
米政策の先行き不透明感も円相場を支えた。トランプ米大統領が13日朝、ツイッターでティラーソン米国務長官を解任すると発表。保護主義的な通商政策への懸念がくすぶっているうえ、ティラーソン氏の解任でトランプ氏が独善的ともいえる外交姿勢に一段と傾きかねないとの警戒感がドルの買い手控えを誘った。
円の安値は朝方に付けた107円30銭、高値は106円46銭だった。
円の対ユーロ相場は反落し、80銭円安・ユーロ高の1ユーロ=132円00~10銭で終えた。円がドルに対して下げる一方、ユーロは対ドルで上昇したためユーロに対する円の下げ幅が大きくなった。
ユーロは対ドルで続伸し、前日比0.0055ドルユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.2385~95ドルで終えた。トランプ大統領はティラーソン氏の後任に保守強硬派として知られるポンペオ米中央情報局(CIA)長官を指名した。「トランプ氏の保護主義的な通商政策に拍車がかかるおそれがある」(フォレックス・ドット・コムのジェームズ・チェン氏)との警戒感からユーロ買い・ドル売りが優勢になった。
ユーロの高値は1.2407ドル、安値は1.2332ドルだった。