NY円、反発 1ドル=111円20~30銭 米長期金利低下などで
【NQNニューヨーク=古江敦子】12日のニューヨーク外国為替市場で円相場は4営業日ぶりに反発した。前日比40銭円高・ドル安の1ドル=111円20~30銭で取引を終えた。米長期金利が低下し、日米金利差の縮小を受けた円買い・ドル売りが優勢となった。
8月の米卸売物価指数は、1年半ぶりに前月比でマイナスとなった。米国の物価上昇への警戒感が和らぎ米長期金利が低下、為替市場ではドルに対して円が買われた。
米中貿易摩擦の行方を見極めたいとのムードが根強いうえ、トルコ中央銀行による政策決定会合を13日に控える。投資家が運用リスクを取りにくい雰囲気となり、円買いにつながった面もある。
ただ、円は上値が重くなる場面もあった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が12日午前、ムニューシン財務長官ら米政府高官らが今週、中国に対し通商交渉再開を求めたと報じた。貿易摩擦の回避に向けた交渉が続いているとの見方が浮上し、低リスク通貨とされる円は一時的に売られた。
円の高値は111円12銭、安値は111円49銭と値幅は狭かった。
円は対ユーロで3営業日ぶりに反発した。前日比20銭円高・ユーロ安の1ユーロ=129円30~40銭で取引を終えた。
ユーロは対ドルで3日続伸。前日比0.0020ドル高い1ユーロ=1.1620~30ドルで終えた。欧州中央銀行(ECB)の定例理事会を控え、売りに傾いた持ち高を中立方向に戻す目的のユーロ買いが続いた。米中が貿易交渉を再開するとの報道がユーロ買い・ドル売りを促した面もあった。
この日の高値は1.1650ドル、安値は1.1579ドルだった。