NY円、4日ぶり反発 1ドル=111円50~60銭 米景気指標の悪化で
【NQNニューヨーク=川内資子】21日のニューヨーク外国為替市場で円相場は4営業日ぶりに反発し、前日比55銭円高・ドル安の1ドル=111円50~60銭で取引を終えた。米企業の景気指数の悪化を受けて、新型肺炎の米経済への影響が大きくなるとの警戒感が強まり、円買い・ドル売りが優勢となった。
IHSマークイットが21日発表した2月の米総合購買担当者景気指数(PMI、速報値)は49.6と好不況の境目の50を下回り、6年4カ月ぶりの低水準となった。サービス業の悪化が目立った。IHSマークイットは新型肺炎の影響に加え、企業活動全般の減速懸念も映したと指摘した。米経済への楽観が薄れ、幅広い通貨に対してドルが売られた。
新型肺炎が日本と韓国やイランなど中国以外でも拡大している。米債券市場では相対的に安全な資産である米国債が買われた。長期金利の指標である10年物国債利回りは5カ月半ぶりの水準に低下し、超長期債の30年債利回りは過去最低を更新した。日米金利差が縮小するとの見方も円買い・ドル売りを促した。
円の高値は111円47銭、安値は112円01銭だった。
円は対ユーロで3日続落し、前日比15銭円安・ユーロ高の1ユーロ=121円00~10銭で取引を終えた。ユーロが対ドルに対して上昇し、対円でもユーロ買いにつながった。
ユーロはドルに対して反発し、前日比0.0060ドル高の1ユーロ=1.0840~50ドルだった。米景気減速への警戒感からユーロ買い・ドル売りが優勢となった。
ユーロの高値は1.0863ドル、安値は1.0797ドルだった。