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大阪は情報発信力を磨け 作家・堺屋太一さん(私のかんさい)

25年万博で民の文化再び

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「団塊の世代」という言葉を生み出すなど、時代の先を見据えてきた作家の堺屋太一さん(81)。先祖が大阪・船場の商人ということもあり、関西への思いは熱い。

生まれは大阪城の真南の岡山町(現在の大阪市中央区玉造)。戦中、奈良県に疎開する10歳までを大阪で過ごした。大阪には独特の文化が根付き、町人は揺るぎのない自信と誇りを持っていた。相撲はお江戸、芝居は上方。私の父母はよく「大阪のこうとは日本一や」と言っていた。「こうと」とは船場言葉で、粋を極めた人の「地味だけど高級」といった意味。そこにプライドがあった。

1970年代以降、東京一極集中が進んだ。当時の通産省(現経済産業省)などが各業界の全国団体の本部を東京に置かせ、大会社の社長は東京に住まざるを得なくなった。放送のキー局は東京とされ、特定文化施設の建設も東京に限定。このため関西の文化は衰えた。歌舞伎役者、建築家、デザイナーといった文化人が移り住んでいった。

東京一色というのはいかがなものか。国家には2つの焦点が必要だ。私は「楕円構造論」と名付け、文化創造が得意な大阪に情報発信機能を持たせるべきだと訴えてきた。多様性のもとで、発想の自由によって世界は広がる。

 ■東大経済学部を卒業し、通産省に入省した。提唱した1970年の大阪万博(日本万国博覧会)の構想は楕円構造論がベースだった。

本当は建築家になりたかった。きっかけは48年に大阪・天王寺で開催された復興大博覧会だ。中学1年生だったが、天王寺公園などに造られた会場のバラックの配置に関心を持った。それからやたらと建築物の設計をし、博覧会などの配置図を書くようになった。

東大では最初、建築学科に入学した。東京タワーが建設されると聞いて、3本足のタワーの設計図を書いた。コンピューターがなかった時代で、構造計算を一生懸命した。ただ、その後に目が悪くなり、書き写し作業ができなくなった。卒業設計は難波の精華小学校跡に造る大劇場構想だ。

通産省入りは友人のドイツ人女性の助言で決めた。住友銀行、近畿日本鉄道と迷っていたら「何が好きかが分かった時、その道に行けるところがよい」と。万博に関わることになったのは上司の一言から。見合い話を「やりたいことがある」と断ったら「日本で万博をするとかか」と聞かれた。それから世界の万博について調べ始めた。

2025年万博誘致に向けた大阪府などの動きが加速している。

日本の地方は基本的に城下町文化で、江戸の小型版。大阪が決定的に違うのは、長い間、官僚統制を受けてこなかったことだ。民によって街づくりがなされ、民の文化を醸成してきた。大阪の誇りを取り戻すことは日本にとって有益となる。

関西の瀬戸内の人は水の民で、非常に流動性が高い。昔から「大阪商人、江戸店持ち」が一番いいとされてきた。この「店」の場所が世界に広がり、ある評論家は(中国の華僑のように)「阪僑」という言葉も作った。流出はするが、定着せずに戻ってもくる。それが大阪人の流動性だ。

70年万博を成功に導いたのは第3次産業革命、規格大量生産の日本を見せるというコンセプトだった。今、求められているのは「人生の楽しさ」。寿命が延び、余暇時間が増えた。モノより楽しみが大事になっている。民ならではの自由な発想で、自主独立の文化をもう一度生み出したい。

(聞き手は大阪経済部 北西厚一)

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