USJ、AKB48が常駐ライブ 7月から1カ月半
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)を運営するユー・エス・ジェイは2日、7月下旬からアイドルグループ「AKB48」のライブイベントを約1カ月半にわたって実施すると発表した。USJの15周年イベントの一環で、他にも集英社のコミック誌「少年ジャンプ」の作品をテーマにしたショーやアトラクションなども展開する。アイドルやキャラクターなど話題の「人気者」を一堂に集め、さらなる集客増につなげる狙いだ。
2日の昼前、炎天下のUSJ内の屋外ステージ前で約5000人のファンが見守るなか、渡辺麻友さんや小嶋陽菜さんら16人の人気メンバーがステージに登場。新曲「翼はいらない」など10曲を熱唱した。ライブ後、総監督の横山由依さんが「この夏、AKBメンバーがUSJに常駐します!」と宣言するとファンの熱気は最高潮に達した。
AKB48グループの選抜メンバーによるライブは7月21日~9月4日までの期間中に合計120回の公演を予定。一部、非開催日もあるが、「USJでメンバーに毎日会うことができる」(横山さん)。出演者や曲目などの詳細は未定だが、9900円(スタジオ・パス込み)で前売り券を発売し、3000円の当日券も用意するという。
USJは7月から少年ジャンプと組んだユニバーサル・ジャンプ・サマーを約2カ月間、実施する予定だ。「ドラゴンボール」のフルCG(コンピューターグラフィックス)映像アトラクションや、「デスノート」の世界観を再現したリアル脱出ゲームなどを展開する。
また人気ゲーム・アニメ「妖怪ウォッチ」とも組む。作品に登場する町並みを再現したアトラクションを刷新し、妖怪たちと「ようかい体操」を踊る体験型のイベントも開く。
米テーマエンターテインメント協会の調べによると、2015年の入場者数で、東京ディズニーシー(千葉県浦安市、TDS)を抜き、世界ランキング4位に浮上したUSJ。日本勢最上位で3位の東京ディズニーランド(同、TDL)との差も300万人弱にまで縮まった。
ディズニーとUSJの戦略は対照的だ。自前のキャラクターだけでパーク内を演出するディズニーに対し、USJはいわば「ごった煮」。アイドルからアニメキャラクターまで様々な「人気者」が勢ぞろいし、それぞれのファンの来場を促す仕組みだ。
さらにUSJは畳みかける。今後、任天堂と組んで「マリオ」などの人気キャラクターを活用した新アトラクションや、人気ゲーム「ドラゴンクエスト」などを手がけるスクウェア・エニックスと連携したアトラクション新設も計画中だ。高い集客力が、より強い発信力を持つキャラクターを呼び寄せる好循環につながり、独自の戦略に磨きをかけている。
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