NYファッションウイーク、会期短縮 盛り上がりに欠く
【ニューヨーク=河内真帆】毎年春と秋に開催されるファッション業界の新作発表イベント「ニューヨークファッションウイーク」が7日に始まる。ネット販売の台頭で主要販路の百貨店が低迷し、「ミレニアル」と呼ばれる比較的若い世代のブランド離れも進む。業界恒例のイベントも盛り上がりに欠けている。
主催の米ファッション・デザイナー協議会(CFDA)は前回の2月まで8日間だった会期を1日短縮し、今回は13日までの7日間とした。「(次のコレクション開催地である)ロンドンへの移動日を配慮した」と説明するが、最盛期には200を超えていたショーの数も参加するデザイナーの減少で100を下回っている。
ニューヨークはロンドン、ミラノ、パリのコレクションに先駆け、製品をいち早くバイヤーに見せられることが強みだったが、地盤沈下も進む。ミシェル・オバマ前大統領夫人がお気に入りのトム・ブラウンや人気の若手ロダルテ、プロエンザ・スクーラーがパリ(9月26日~10月2日)での新作披露を決めた。トミー・ヒルフィガーも披露の場をロンドンに移す。
ニューヨークでは2015年2月までテントを張った特設会場で開催してきたが、周辺住民との摩擦やコストの問題で取りやめて以降、デザイナーが個々に展示やショーを開くようになった。ランウエーをモデルが歩く方式の商業イベント自体の求心力がなくなってきたとの指摘もある。