米空母、11隻態勢に 最新鋭フォード級22日就役
【ワシントン=共同】故フォード元米大統領にちなみ命名された米軍の最新鋭原子力空母ジェラルド・フォードが、22日に就役する。国防総省が20日発表した。米海軍にとって1975年のニミッツ就役以来、42年ぶりの新型。現在のニミッツ級10隻に加わり、11隻態勢が復活する。
世界初の原子力空母エンタープライズが退役した2012年以降、米空母は10隻態勢が続いていた。5千人前後が乗り組む「洋上基地」の空母は、国力の象徴。トランプ大統領は、12隻に増やす方針だ。
米海軍は装備近代化と即応性向上を進めており、新型空母を含む11隻態勢で軍事的存在感を示し、抑止力維持を図る考え。核・ミサイル開発を加速させている北朝鮮や、海軍力強化を推し進める中国、中東地域の過激派組織などへのにらみを利かせる狙いもある。
フォード級は、レーダーに映りにくいステルス性や電磁式カタパルトなどが特徴。今回就役する1番艦は09年に起工し、本来は15年に就役予定だったが、新技術の試験に時間がかかったことなどで遅れた。米メディアによると建造費は約130億ドル(約1兆4500億円)。
就役式は22日に東海岸のバージニア州ノーフォークで開かれ、トランプ氏も出席する。
フォード氏は、ウォーターゲート事件で辞任したニクソン大統領(故人)の後継として副大統領から昇格し、74年8月から77年1月まで第38代大統領を務めた。大統領選で勝利することがなかった唯一の米大統領。06年に死去した。