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米、イラン包囲網探る アラブ諸国と関係修復急ぎ

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【ワシントン=永沢毅】トランプ米政権がイラン核合意の見直しに乗り出した。サウジアラビアなどイランと敵対するアラブ諸国との関係修復を急ぎ、包囲網の構築を探っている。

「『核保有国になる』というイランの目標達成を遅らせるだけにすぎない」。ティラーソン米国務長官は19日の記者会見でイランとの核合意を酷評した。トランプ大統領は選挙戦中から「史上最悪の取引」と指摘して見直しを公約し、この姿勢を貫いている。

トランプ政権はイランが挑発行為をやめていないと主張する。トランプ氏の娘婿クシュナー上級顧問が敬虔(けいけん)なユダヤ教徒であることも微妙に影響を及ぼす。

中東を歴訪しているマティス国防長官は19日、サウジアラビアで国防相を兼ねるムハンマド副皇太子と会談。「イランの害悪へのサウジの対抗力を強化する」と支援を約束した。サウジはイエメンを巡りイランとの対立が深まり、ムハンマド氏も「世界を不安定にするイランの邪悪な活動」などと非難した。

イラン核合意にはサウジを筆頭とするアラブ諸国の不満が根強い。トランプ政権はオバマ前政権下で悪化した関係を立て直し、イラン包囲網の構築に動き出した。

トランプ政権は対イラン政策の練り直し作業を近く終える見通し。核合意の見直しに踏み切った場合はイランだけでなく、同国と連携するロシアの反発が必至。核合意に加わっていたドイツやフランスなどの出方も読み切れない。

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