14年の食料価格、3年連続低下 油脂類・砂糖など大幅に
【ジュネーブ=原克彦】国連食糧農業機関(FAO)が8日発表した2014年の食料価格指数は202.1(2002~04年=100)と前年に比べ3.7%下がり、3年連続で低下した。原油安を受けバイオ燃料の需要が減退し、年後半にパーム油を中心とする油脂類が急速に下げた。サトウキビがバイオエタノールの原料に使われる機会が減ったため、砂糖も大幅に低下している。
同時に発表した14年12月の同指数は188.6で前年同月比8.5%低下。油脂類は直近で最も高かった3月に比べ21.4%も下げた。パーム油は自動車のディーゼルエンジン向けに軽油の代わりに使われることがある。砂糖も直近のピークの5月より約15%低下した。
一方、乳製品はウクライナ情勢の影響で急落している。14年2月には90年以降で最高に達したが、12月にかけて36.8%も低下。ロシアが米欧による制裁に対抗して欧州連合(EU)からのチーズの輸入を止めたため、乳製品の需給が緩んだ状態だ。
穀物も豊作を受け14年通年で前年比12.5%低下した。12月はロシアが輸出を制限する可能性があるとの見方から小幅に上がったが、ドル高の進行などで一段の上昇は抑えられているという。食料価格指数を構成する5分野の中で14年に上昇したのは食肉だけで、同8.1%上がった。