企業の実質的な農地保有、特区で解禁 改正法成立
企業の実質的な農地保有を地域限定で認める改正国家戦略特区法が27日、参院本会議で可決、成立した。農業の担い手不足が著しい地域で、農地を所有できる農業生産法人への企業の出資比率を50%以上に引き上げることを認める。特区の兵庫県養父市で今秋にも運用が始まる。
企業の農地利用を巡っては「採算が悪化すれば撤退しかねない」と持続性への懸念が農業団体などに根強い。このため企業が農業から撤退したり耕作放棄地になったりした場合は、所有権を自治体に戻し、原状回復義務を課す。5年程度で制度を見直す条件も付けた。
改正法はこのほか、過疎地などの訪日客増加を見据え、一般のドライバーが自家用車でお金をもらって観光客を運べるようにする特例措置も盛り込んだ。また離島などでの遠隔診療に合わせて、薬剤師の服薬指導も対面でなくテレビ電話を活用できるようにする。