厚労省、分割や2閣僚制を提言 業務肥大化で若手議員
自民党の若手議員でつくる「2020年以降の経済財政構想小委員会」(橘慶一郎委員長)は11日、厚生労働省の組織見直しに向けた提言をまとめた。業務の肥大化を問題視し、2つか3つの省に分割する案や担当閣僚を2人置く案を併記。7月の参院選公約に盛り込みたい考えだ。
同小委事務局長を務める小泉進次郎農林部会長は記者団に「大変大きな省庁で20年以降に国民に必要な政策を実行するのは難しい」と指摘。同年までに抜本改革すべきだとの考えを示した。
提言は厚労省の業務が多岐にわたり「1つの役所、1人の大臣だけで担当することは困難になりつつある」と指摘。厚労相の国会答弁回数が他閣僚に比べて突出して多いことや、職員数の不足で残業が他省庁よりも多いことなどをあげた。
改革には3案を提示。1つは年金、医療、介護を担う「社会保障」、少子化対策、子育て支援を担う「子ども子育て」、雇用や女性支援を担当する「国民生活」の3省に分割する案。「子ども子育て」と「国民生活」を一本化し2省に分割する案、1省体制のまま2閣僚を置く案もあげた。
厚労省は01年、省庁再編で旧厚生省と旧労働省が合併して誕生。その後、年金記録問題などで分割論が浮かんでは消えた。
厚労省が主に所管する社会保障費は16年度当初予算で32兆円と国の政策経費の4割を超え、肥大化を懸念する声は自民党内にも根強い。巨大省庁を分割し、きめ細かな政策対応をしやすくする狙いだが、単純に分割して職員やポストを増やすだけでは行政の効率化と逆行しかねないとの懸念もある。