民進・前原代表、挙党態勢占う枝野氏のポスト
民進党の前原誠司代表は5日にも新しい執行部人事を決める。代表選を争った枝野幸男元幹事長をどう処遇するかが今後の挙党態勢を占う。前原氏は記者団に「中心、中核で働いてもらいたい」と述べ、要職で起用する意向を示した。枝野氏を支持した勢力からは党運営の屋台骨を支えるナンバー2の幹事長での処遇を求める声が多いが、党内には慎重論も多い。
前原氏は2日、都内で記者団に「来週の早い時期に骨格の人事の承認を頂く手続きをとりたい」と述べた。同日の日本テレビ番組では、枝野氏について「中心の一翼を担ってほしい」と語った。5日にも両院議員総会を開く。
前原氏には枝野氏起用が挙党態勢の象徴になるとの思いがある。1日の代表選では国会議員票で全体の6割にあたる83票を獲得。枝野氏は51票だった。前原氏の陣営は「前原支持票は事前の想定より得票が少なかった」と受け止めており、枝野氏支持派に配慮を示す意図もある。
焦点はポストだ。枝野氏を支持したリベラル系議員には幹事長を求める声がある。
枝野氏は海江田万里氏と岡田克也氏が代表の時に幹事長を務め、実務能力に定評がある。しかし、野党共闘の考え方に溝がある。前原氏周辺では、選挙を取り仕切る幹事長起用に慎重論が強く代表代行としての処遇案がある。ただ、枝野氏の幹事長起用を見送れば、リベラル派との間でしこりを残す可能性もある。
他に幹事長として推す声が強いのは大島敦元総務副大臣。昨年と今回の代表選で選挙対策本部長を務め前原氏の信頼が厚い。党内で「中間派」とされる大畠章宏元幹事長のグループに属し「党内に敵が少ない」との評がある。前原氏と松下政経塾で同期の玄葉光一郎元外相を推す声もある。
これまでの民主党や民進党の幹事長人事も挙党態勢を左右してきた。
昨年、蓮舫前代表は自身が所属する議員グループ「花斉会」を率いる野田佳彦前首相を起用。2人の信頼関係は厚いが、党内から「お友達人事」と反発を招いた。
02年9月の代表選では、鳩山由紀夫氏が菅直人氏を破り3選を果たし、旧民社グループの中野寛成氏を起用。「露骨な論功行賞だ」と反発を浴びた。
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