アップル、4~6月期は3四半期ぶり増収 時間外で株価大幅高
【NQNニューヨーク=滝口朋史】米アップルが30日に発表した2019年4~6月期決算は、売上高が前年同期比1%増の538億900万ドルだった。主力商品の「iPhone」の販売減が続き、サービス事業も市場予想ほど伸びなかったが、腕時計型端末「アップルウオッチ」などの製品販売が好調で3四半期ぶりの増収となった。市場予想の533億1600万ドルも上回った。7~9月期はほぼ前期並みを見込んでおり、持ち直し基調は続きそうだ。
主力のiPhoneの売上高は12%減の259億8600万ドルで、QUICK・ファクトセットがまとめた市場予想の263億800万ドルを下回った。iPadは8%増の50億2300万ドルと市場予想(51億7200万ドル)を下回った。一方、腕時計型端末「アップルウオッチ」や人工知能(AI)スピーカーなどの販売は48%増の55億2500万ドルと好調だった。
成長の柱として重視する音楽配信やアプリ販売などのサービス事業の売上高は13%増の114億5500万ドルと同事業としては過去最高を更新した。ただ、市場予想の116億8400万ドルは下回った。
売上高全体を地域別にみると、香港と台湾を含む中華圏が4%減の91億5700万ドルと減収率は前の四半期の22%から大幅に縮小したが3四半期連続の減収となった。欧州も2%減った。北米や日本は増収だったが、中国の落ち込みが全体の足を引っ張った。
純利益は13%減の100億4400万ドルだった。研究開発費や販売関連費用の増加が収益を圧迫した。iPhoneの販売減で製品の収益は悪化したものの、サービス事業の収益改善が補い全体の売上高総利益率は38%と前年同期並みにとどまった。1株利益は2.18ドルと市場予想の2.09ドルを上回った。
あわせて公表した7~9月期の売上高見通しは610億~640億ドルと、前年同期に比べ3%減~2%増を見込む。下限でも市場予想の609億ドルを上回った。
決算発表を受けた米株式市場の時間外取引でアップルの株価は上昇している。30日の通常取引を前日比0.90ドル(0.4%)安の208.78ドルで終え、終値を4%強上回る217ドル台まで買われる場面があった。3四半期ぶりの増収となったうえ、売上高見通しが市場予想を上回ったのも好感された。