NY連銀総裁、ビットコイン上昇「投機的、かなり警戒」
【NQNニューヨーク=森田理恵】米ニューヨーク連銀のダドリー総裁は29日、値上がりが続く仮想通貨ビットコインについて「かなり警戒している」との見方を示した。一部の経済学者から米連邦準備理事会(FRB)が独自の電子通貨を出すべきだと指摘が出ていることについて「我々が模索し始めたことではあるが、独自の電子通貨の発行について議論するのは本当に時期尚早だ」と述べた。ニュージャージー州での講演後の質疑応答を、ダウ・ジョーンズ通信など米メディアが報じた。
情報サイトのコインデスクによると、ビットコインのドル建て価格は米東部時間29日朝方に一時1万1377ドル台まで上昇。前日夜に初めて1万ドルの大台を上回ってから24時間もたたずにさらに1000ドル水準を切り上げた。ダドリー氏は最近の値動きは「投機的な面が大きい」として「(ビットコインは)安定した価値の保存手段ではなく、(基軸通貨の)ドルの脅威ではない」と分析した。
米景気について「拡大が続く余地は十分ある」と指摘。株式相場の力強い上昇も「景気見通しの良好さを映している」とみている。FRBの次期議長に指名されたパウエル氏について「議長としてとても良い仕事をするだろう」と評価しつつ、同氏が見直しに賛同するドッド・フランク法(米金融規制改革法)は「金融システムの強化や弾力性(の向上)に貢献している」と擁護した。
ダドリー氏は今月上旬、2019年1月の任期を待たず、18年半ばに退任すると発表している。