G20見極めで様子見、小動きか(先読み株式相場)
27日の東京株式市場で日経平均株価は前日終値(2万1086円)を挟んで小幅な動きとなりそうだ。28日からの20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)にあわせた米中首脳会談の結果を見極めたいとする投資家が多い。半導体関連株への買いが引き続き相場の支えとなる一方、貿易問題を巡る米中協議の不透明感から上値を追う投資家は限られる公算が大きく、市場では日経平均が2万1000円~2万1200円程度で推移するとの見方があった。
26日は米ダウ工業株30種平均が小幅に続落し、11ドル安の2万6536ドルで終えた。トランプ米大統領は米中首脳会談で合意に達しなかった場合に中国に対して「第4弾」の制裁関税を課す考えを改めて示した。首脳会談を見極めたいとして生活必需品やヘルスケアなどこのところ上昇基調にあった銘柄に持ち高調整を目的とした売りが出て相場の重荷となるなど投資家は様子見姿勢を強めている。
もっとも、米中協議には進展期待も根強い。大阪取引所の夜間取引で日経平均先物9月物は2万1090円と、26日の清算値を40円上回った。トランプ大統領が26日の米テレビのインタビューで「我々より中国が取引したがっている」と説明。ムニューシン米財務長官も米中協議に関し「完了させる道はある」と楽観的な見方を示すなど協議決裂への警戒は和らぎつつある。
26日の米市場ではエヌビディアが5%強上昇するなど半導体株に買いが集まった。主な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3%あまり上昇しており、東京市場でも東エレクなどの半導体関連株に買いが続きやすいだろう。「会談の結果を見極めるまで投資家が相場の上値を追うのは難しい」(国内証券ストラテジスト)として商いが細りやすいなか、相場の支えとなりそうだ。
個別ではトヨタなどに注目だ。27日付の日本経済新聞朝刊は「トヨタとソフトバンク(SB)が主導する自動運転など次世代移動サービスの企業連合を巡り、マツダやスズキなど自動車大手5社が新たに参画する方針を固めた」と報じた。外国為替市場での円高・ドル安進行の勢いも一服しており、買いが先行する可能性がある。
27日は化粧品や健康食品を手掛ける新日本製薬(4931)が東証マザーズ市場に、ステーキ店のあさくま(7678)がジャスダック市場に新規株式公開(IPO)する。日銀は1~3月期の資金循環統計速報を公表する。
〔日経QUICKニュース(NQN) 宮尾克弥〕