政府税調「消費税の役割、一層重要に」 中期答申とりまとめ
政府の税制調査会(首相の諮問機関)は26日、少子高齢化など経済社会の変化に合わせた中期的な税制のあり方を示す「中期答申」をまとめた。少子高齢化や人口減少の深刻化で「勤労世代の所得に負担増を求めていくことはおのずと限界」として、国民が幅広く平等に負担する観点から「消費税の役割が一層重要になっている」との見解を示した。
他にも、金融所得や年金をめぐる税制度の検討を通じて退職後の生活資金の確保を後押しすることや、企業の連結納税制度の簡素化を進めて効率的なグループ企業の運営に資する仕組みを具体的に検討すべきことなどを盛り込んだ。経済のデジタル化に伴う租税回避や物理的な拠点を持たない海外企業への課税については一層取り組みを進める必要があると指摘した。
中里実会長は総会後の記者会見で、今回の答申について「正しい現状認識のうえで将来への税制のあり方の選択肢を提示することに力点を置いてきた」として、税制をめぐる議論を活発化させていきたい考えを示した。消費税のさらなる増税の可能性について問われると「消費税にしがみつくわけではない」として「消費税も所得税も法人税も全て考えた上で将来的なことは将来の時点で(政府・国会が)決めるのではないか」と述べた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕