国内REIT型、資金流出に転じる(投信観測所)
国内の不動産投資信託(REIT)で運用するファンドが11月に資金流出に転じた。QUICK資産運用研究所調べによると、設定額から解約額を差し引いた資金流出入額はマイナス340億円と、2018年11月以来、1年ぶりの資金流出になる。日米の長期金利が急上昇したことで債券と比べた国内REITの投資妙味が薄れるとの考えから、国内REIT型ファンドの利益確定売りがでたようだ。
10月までの11ヵ月間は、国内の低金利環境の長期化による相対的な利回りの高さや良好なオフィス市況などが投資家に好感され、資金流入していた。
国内REIT型ファンドの純資産総額トップ10の資金流出入額(月次)を調べたところ、残高が最大の「J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)」から68億円の資金が流出した。一方で、残高2位の「ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)」には105億円の資金が流入した。
国内REIT相場は11月以降下落しているものの、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催や2025年に予定される大阪・関西万博やカジノを含む統合型リゾート(IR)誘致への期待感などを支えに底堅く推移するとの見方もある。
(QUICK資産運用研究所 戸崎志賀)
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