安西氏「AI教育、先進人材を年2000人育成」 都内でパネル討論
学術情報分析センター所長で日本学術振興会顧問の安西祐一郎氏は23日、日本経済新聞社が都内で開いた人工知能(AI)をテーマにしたイベント、アイサム(AI/SUM)でのパネル討論で「AI教育を通じ先鋭的な人材を年間2000人育てていく必要がある」と述べた。
安西氏は「数理・データサイエンス・AIはデジタル社会における『読み・書き・そろばん』だ」と指摘し、「高校生は文系理系を問わず理数系の能力を身につける必要がある」と語った。具体的な目標として、大学生や高等専門学校生など、経済学や生命科学といった専門分野にAIを応用できる人材を年間25万人育てたいとした。その中で先鋭的な人材2000人を発掘し育てていく必要があるとした。安西氏は政府の有識者会議「AI戦略実行会議」の座長を務めている。
AI教育についてソニーコンピュータサイエンス研究所の北野宏明社長は「AIやデータサイエンスを理解している人材を産業界がもっと処遇するのが重要で、そうした人材の給与も上がっていく。海外の人材にも来てもらい、一緒にやっていく」と話した。慶大の神成淳司・環境情報学部教授は「メードインジャパンではなく、メードバイジャパンに。日本でやることだけを考えず、アジアや海外と連携して育てる」と述べた。赤石浩一・内閣府政策統括官(科学技術・イノベーション担当)がパネル討論のモデレーターをつとめた。
アイサムは日本での最先端のAIの取り組みを、民間企業、政府、大学や研究機関が一体となって紹介する国際イベントで、24日までの開催。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕