財制審、客観的根拠に基づく政策立案求める 財政健全化に向け
財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の榊原定征会長は20日、2019年度予算の編成などに関する建議をとりまとめ、鈴木馨祐財務副大臣に手交した。足元の財政が特例公債に大きく依存しており「厳しい財政状況をのちの世代に押しつけてしまう格好になっている」と足元の税財政運営を批判した。一段と財政を悪化させないように「エビデンス(客観的根拠)に基づく政策立案を推進することで、財政健全化に国民の理解を得るべき」とした。
受益と負担の乖離(かいり)に対応するため、19年10月に予定される消費税率の10%への引き上げは確実な実施を求めた。審議会のメンバーから、さらなる税率の引き上げなど歳入改革について議論を始めるべきという声が出たことにも触れた。
政府が掲げる「25年度の国・地方のプライマリーバランスの黒字化」は背水の陣として「今後3年間の歳出規律を順守する必要がある」とまとめた。
歳出額の多い社会保障分野については「社会保障関係費の伸びを高齢化による増加分に相当する水準におさめるため、改革に取り組むことが必要」とした。具体的な政策としては、医療保険における後期高齢者の窓口負担の引き上げなど、高齢化や支え手が減る中での公平な負担を訴えた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕