全銀協会長「デジタル化で銀行ビジネス効率化を」 都内で講演
全国銀行協会の平野信行会長(三菱UFJフィナンシャル・グループ社長)は19日、「Fin/Sum(フィンサム)ウイーク2017」での講演で、「デジタル化を通じて既存の銀行のビジネスモデルを大幅に効率化していかなければならない」と述べた。巨大な決済システムを運営し、各地に支店網を張り巡らせている邦銀の高コスト体質を指摘して、フィンテックの活用といった技術革新を進める必要性に言及した。
平野会長は「世界の金融機関が、世界的な低成長と金融規制の強化の中で先行きへの不安を感じている」と説明。日本でも電子決済の取り組みの遅れなどに懸念を示した。
平野会長は三菱UFJグループ全体について触れ、フィンテック関連のサービスを充実させて「今後6~7年で2000億円の利益押し上げ効果を目指す」との経営目標を示した。同時に「将来的には9500人分に相当する労働量を減らし、人材をより付加価値の高い業務に振り向けて生産性を向上させる」と述べた。
同ウイークは金融庁とフィンテック協会、日本経済新聞社が共同で22日まで開催する。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕