全銀協会長「フィンテックで社会的課題の解決を」 都内で講演
全国銀行協会の平野信行会長(三菱UFJフィナンシャル・グループ社長)は19日、都内で開いた「Fin/Sum(フィンサム)ウイーク2017」で講演し、「フィンテック(金融とテクノロジーの融合)の積極活用で少子高齢化などの社会的課題を解決していく必要がある」と述べた。
国内の金融機関がフィンテック関連のスタートアップ企業と協業し音声認識による銀行決済など高齢者に利便性の高いサービスを提供することで、フィンテックの分野でも国際的な存在感を高めることができると強調した。
平野会長はフィンテックの活用などで日本の認知度が世界的に低いと指摘。「フィンテックが貧困や格差などの社会的な課題を解決する役割を持つ」として、日本でいち早く進んでいる少子高齢化への対応策が、世界的にも今後注目を集めるとした。
平野社長は「金融機関はスタートアップ企業と競合する存在ではなく、協業して付加価値のあるサービスを提供していかなければならない」と説明した。世界的なフィンテック関連金融サービス開発の競争で優位に立つために、「スタートアップ企業のアイデアを実現するための資金援助といった育成の環境づくりが必要だ」と述べた。
同ウイークは金融庁とフィンテック協会、日本経済新聞社が共同で22日まで開催する。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕