VIX先物の清算値に価格操作の疑い 当局が調査と米報道
【NQNニューヨーク=横内理恵】米証券取引委員会(SEC)など米金融当局が、米株の変動性指数(VIX)先物の清算値算出で価格操作があった可能性を調査していることが明らかになった。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)が関係者の話として13日に報じた。
VIXはS&P500種株価指数のオプション価格を基に算出する。一部の金融機関がオプション取引の架空の売買注文を使って気配値を動かすなどし、VIX先物やオプションの清算値を操作していた疑いがあるという。WSJによると、匿名の告発者の代理人を名乗る法律事務所が「VIXの価格操作で投資家が多額の損失を被った」として12日に当局に調査を求めていたという。
VIXは別名「恐怖指数」と呼ばれ、投資家心理を測る材料にもなる。前週に米株価が急落した際にはVIXの急上昇が一因になったとされた。VIXの値動きに連動した先物はシカゴ・オプション取引所(CBOE)に上場している。ただ今回の調査は過去の長期にわたる清算値が対象で、前週のVIXの急上昇を特に対象としたものではないようだ。