8月の中途求人倍率1.76倍、転職希望者増え低下 リクルート調べ
リクルートホールディングス(6098)傘下のリクルートキャリア(東京・千代田)が10日まとめた8月の転職求人倍率は、前年同月比0.14ポイント低い1.76倍だった。前年実績を割り込むのは7カ月連続。企業の中途採用意欲は高いものの、転職希望の登録者が大幅に増加したことで倍率自体は低下した。
転職求人倍率は企業の中途採用の求人数を転職希望の登録者数で割って算出する。中途採用の求人数は前年同月比24%増と過去最高を更新した。一方で転職希望の登録者数も過去最高で、前年同月比での伸び率は33.8%と求人数の伸びを上回った。企業が中途採用で報酬や働き方などでより良い条件を提示していることから、転職を意識する人が急増しており、転職市場全体が活性化している。
職種別の転職求人倍率はあらゆるモノがネットにつながる「IoT」の技術導入などに必要な機械の組込・制御ソフトウエア開発技術者が4.52倍で最も高かった。WEBプログラマーなどのネット関連専門職が4.50倍、建設関連技術者は4.38倍で続いた。
工場などでの定型の作業工程を自動化するソフト「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の導入や消費者向けオンライン決済サービスの拡大に伴って、システムエンジニア(SE)の需要も高まっている。また「IoTなどの活用で新分野への事業展開を計画する総合電機や機械部品メーカーからは、新技術を生かすために最適な資材調達のできる人材が求められている」(リクルートキャリア)という。
業界別の転職求人倍率ではコンサルティング業界が6.40倍、インターネット業界が3.82倍、建設・不動産業界が2.76倍。三大都市圏では東海が2.97倍、関東圏は1.60倍、近畿は1.53倍だった。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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