米中摩擦と円高、運用リスク回避か(先読み株式相場)
3日の東京株式市場で日経平均株価は続落しそうだ。米国と各国の貿易摩擦が長期化するとの見方から、投資家は運用リスクを回避する姿勢を強め、幅広い銘柄に売りが出そうだ。円高・ドル安の進行も輸出関連株には重荷となる。市場では前週末終値(2万0601円)と比べ300円程度安い2万0300円程度を下値メドと見込む声が多い。
米国と各国の通商問題の激化が、引き続き株式相場を下押ししそうだ。中国政府は1日、米国の制裁関税に対する報復措置を発動した。中国の魏鳳和国防相は2日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議で演説し、米中貿易摩擦について「対話したいならばドアは開いている。戦いたいなら戦う。準備はできている」と述べた。中国政府が強硬姿勢を崩さないとの見方が広がり、東京市場で中国関連株の売り圧力が高まりそうだ。
前週末の米株式市場でダウ工業株30種平均は、前日比354ドル安の2万4815ドルと約4カ月ぶりの安値で終えた。トランプ米政権がメキシコからの全輸入品に追加関税を課す方針を示し、通商摩擦に対する懸念から幅広い銘柄が売られた。市場では「日本国内の機関投資家も株式から相対的に安全な資産とされる債券などへ資金を移す動きが出る」(国内証券のストラテジスト)といい、東京市場も朝方から全面安となる公算が大きい。
3日早朝のシカゴ市場の時間外取引で、日経平均先物6月物は2万0300円前半と、1日の大阪取引所の夜間取引の終値と比べて120円程度下回って推移している。外国為替市場で円相場は1ドル=108円台前半と、前週末の東京市場の17時時点と比べて円高・ドル安に振れている。
国内では1~3月期の法人企業統計が発表される。海外では中国で5月の財新製造業購買担当者景気指数(PMI)が公表。米国でサプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が発表される。アップルが世界開発者会議WWDC(ワールドワイド・デベロッパー・カンファレンス)を開催する。タイとインドネシアは休場となる。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕