日本製鉄の20年3月期、純利益84%減 原料価格が高騰
日本製鉄は1日、2020年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比84%減の400億円になりそうだと発表した。従来予想は開示していなかった。鉄鉱石などの原料価格が高騰する一方、製品である鋼材価格が下落して収益を押し下げる。災害の影響で工場の設備に被害が出たことも利益を圧迫する。
本業のもうけを示す事業利益は70%減の1000億円と、従来予想の55%減の1500億円から下方修正した。世界で自動車販売が落ち込むなか、輸出用の国内向けの鋼板販売も低迷している。今年の台風や落雷などの影響で君津製鉄所(千葉県君津市)などが被災し、販売減や修繕費用などがかさんで事業利益を約500億円引き下げる。今回初めて開示した売上高にあたる売上収益については1%減の6兆1000億円を見込む。
同時に発表した19年4~9月期の連結決算は売上収益が前年同期比4%増の3兆471億円、純利益が67%減の387億円だった。
同日記者会見した宮本勝弘副社長は「特に海外の(鋼材)市況が下がっており回復が見えない。各地の自動車販売が落ちており、影響を受けている」と述べた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕